
神奈川県の中学1年生の男子生徒(13歳)が、オンラインカジノで約700万円を賭博していたとして、警視庁から児童相談所に通告されました。この生徒は小学6年生の時から賭博を始めており、親のメールアドレスでオンラインカジノサイトに登録。約7000回にわたってアクセスしていた実態が明らかになっています。
男子生徒は「最初は小遣いを使っていたが、途中から親の財布から取っていた」と供述しており、スマートフォン一つで簡単にギャンブルサイトへアクセスできる危険性が、浮き彫りになりました。
警察庁の調査によると、国内のオンラインカジノ経験者は約337万人にのぼり、年間の賭け金総額は約1兆2400億円と推計。10代の経験率は3.26%、20代は8.66%と若年層での利用が急拡大しています。特に10代では、利用者のうち61.1%が借金を抱えており、収入の少ない10代が借金に追い込まれ「闇バイト」などの犯罪に巻き込まれるリスクが高まっています。
ギャンブル依存症問題を考える会の調査データは、問題の実態を浮き彫りにする結果となりました。現在、20代から30代の相談が約8割を占めており、20代の依存症者は2019年の28%から2025年に40%まで増加しています。同会には高校生に関する相談も寄せられており、高校生が親の口座にアクセスしてオンラインカジノで600万円を使ってしまったケースも報告されています。
オンラインカジノに関する相談件数も急増しており、2019年に8件だった相談が2023年には97件と12倍に増加。コロナ禍での巣ごもり需要と、スマートフォンの普及により24時間365日いつでもギャンブルのできる環境にあることが、大きな要因となっています。
ギャンブル依存症の若年化が加速
ギャンブル依存症問題を考える会の田中紀子代表は、「スマホ1台あれば簡単にアクセスできるようになってしまったことが大きい」と指摘。実際、デジタルネイティブの若い世代は、YouTuberの実況動画やSNS広告をきっかけに興味を持ち、友達紹介制度などにより部活内で流行するケースも報告されています。
従来のパチンコなどと異なり、オンラインギャンブルは依存症になるスピードが格段に速いことも問題です。リアルなギャンブル場に足を運ぶ必要がなく、周囲に気づかれにくいため、発見された時にはすでに高額な借金を抱えている状況です。調査によると、オンラインカジノの利用開始から最初に借金するまでの期間は「1週間以内」「1か月以内」が計63%を占めており、その進行の早さは際立っています。
こうした状況を受け、令和7年6月にオンラインカジノなどの違法ギャンブルを規制する改正法が成立し、9月25日から施行されています。法律は、オンラインカジノサイトの開設・運営の禁止、広告やSNSを通じた誘導行為の禁止などが中心です。しかし、根本的な解決には、若年層への教育と早期発見・支援体制の充実が不可欠であり、家族や教育現場での理解促進が急務といえるでしょう。












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