
政府与党を構成する自民党と公明党の連立関係が、予期せぬ形で崩壊しました。10月14日、公明党は連立政権からの離脱を正式に表明し、これまでの協調路線に終止符を打つ決断を下しました。この動きに対し、自民党総裁の高市早苗氏は同日夜、党本部で開かれた両院議員懇談会で「公明党の連立離脱は私の責任であり、不徳の致すところだ」と陳謝し、報道陣に向けて深い反省の意を示しました。
連立離脱の背景には、公明党が提案していた社会保障政策の具体案や防衛予算拡大の是非など、党間の政策協調に対する認識の乖離がありました。特に、来年度予算の編成過程で自民党側が防衛費の増額を強く押し進めたことが、公明党内の一定の理解を得られなかったとされています。また、公明党は連立維持のための協議において、自らの政策優先度を保障できる文書化を求めましたが、自民党側との調整は最終的に決裂した形です。
この結果、連立政権下で実現してきた福祉政策や子育て支援策の継続性にも懸念が広がっています。自民党内からは「連携を失った与党に求心力は残るのか」「次の選挙を控え、一層の政策議論が必要だ」との声が上がり、党内外で混乱が深まっています。一方、公明党側は「離脱によって政策提案の自由度が高まる」と評価しつつも、国会運営で与党としての安定多数を失った自民党との協議は今後も続ける方針です。
さらに、内閣府が先日公表した世論調査では、内閣支持率が前月比で5ポイント下落し、45%となりました。同調査で「連立離脱は理解できない」と答えた有権者は52%に達し、政策運営への不信感が浮き彫りとなっています。野党各党はこれを受けて、野党結集の機運を一段と高め、連立離脱の責任を追及する姿勢を鮮明にしています。
自民党幹部の鈴木俊一幹事長は陳謝後、「引き続き公明党との対話の扉は開かれている。国民生活を守るため、できる限り協力を模索する」と述べました。同時に予算審議では、自民単独での多数派形成が困難になる見通しで、参議院予算委員会での論戦が激化するとみられています。
一方、野党側では立憲民主党と共産党が早速、参院本会議で連立離脱に対する問責決議案の提出を検討しています。また、日本維新の会も「政局よりも政策を」と批判を控えつつ、当面は政府の予算編成に協力する構えを見せています。このため、予算国会が実質的なねじれ国会の様相を呈し、今後の政策運営に大きな影響を与える可能性があります。
今後、自民党が公明党の離脱をカバーし得る新たな連携先を見つけられるかどうかが焦点です。高市総裁は別会派との協議や、無所属議員との連携を模索するとみられ、今後数週間が政局の正念場となるでしょう。
党分裂動揺、公明連立離脱に党内外反応
連立離脱表明後、自民党内では衝撃が広がりました。高市総裁の謝罪を受け、自民幹部は「連立再構築のため全力を尽くす」と強調しました。一方、野党各党は「与党の二枚舌だ」と追及を強めています。公明党の山口那津男代表は「連立離脱は政策実現のための苦渋の選択であり、国民の理解を得たい」と説明し、今後も対話を継続するとしています。












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