
三重県議会は24日、スポーツ施設などでアスリートを性的な意図で撮影する行為を「性暴力」と位置付けた「性暴力の根絶をめざす条例」を本会議で可決、成立させました。この条例は27日に施行される予定で、アスリート盗撮を性暴力と捉えた条例は全国的に珍しいとされています。条例制定による法的枠組みの整備は、他の自治体でも同様の被害防止策として注目される可能性があります。
同条例では「アスリートなどの盗撮」を、学校やスポーツ施設、公共交通機関など不特定多数の人が利用する場所で、性的な意図を持って同意や正当な理由なく姿態や部位を撮影する行為と明記しています。根絶を目指す施策を総合的に策定し実施することを「県の責務」と規定するとともに、努力義務として「事業者の役割」も盛り込まれています。
スポーツ界で相次ぐ被害への対応
条例制定の背景には、県内でのアスリート盗撮被害の発生があります。三重県を本拠地とする女子バレーボールチーム「ヴィアティン三重」では、2025年3月に試合会場で複数の選手を狙った性的意図を持つ動画撮影が確認されました。クラブ側がその撮影者を目撃し、別の部屋で動画を確認した結果、性的意図があると判断して警察に通報する事態となりました。
チームは公式ウェブサイトで「アスリートへの性暴力や尊厳を汚す行為は一切容認しない」との立場を表明しています。こうした被害を受けて、三重県は性暴力を明文化することで県民の認識を高め、被害防止につなげることを目指しています。
同条例は、性犯罪や性的虐待のほか、セクシュアルハラスメントやストーカー行為なども性暴力と定義し、アスリート盗撮とともに根絶を目指すとしています。2023年には性的部位や下着の盗撮を取り締まる「性的姿態撮影処罰法」が制定されましたが、アスリートのユニホーム姿など着衣の撮影については対象外となっており、今回の条例がその空白を埋める形となります。県は「性暴力のない三重県」の実現に向けて、11月を「性暴力の根絶をめざす月間」と定め、機運醸成に向けて集中的に取り組むとしています。なお、条例には罰則は設けられていませんが、県は「性暴力と示すことで被害防止につなげたい」としています。








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