
東京地方検察庁は23日、大手フリマアプリ運営企業メルカリの従業員女性をSNS上で中傷したとして、個人投資家として知られる田端信太郎氏を侮辱罪で在宅起訴しました。田端信太郎氏はXで約38万人、YouTubeで32万人超のフォロワーを持つ影響力のある発信者です。
検察当局の発表では、田端信太郎氏は2024年11月から12月の期間中、X(旧Twitter)上でメルカリ従業員に対して「こういうクソな無能を雇うの、株主からしたら、やめてほしいわ」などと否定的な言葉を用いた投稿を行い、名誉を傷つけた容疑がかけられています。
対象となった女性社員は今年4月、管轄の警察署に告訴手続きを行い正式に受理されました。その後、警視庁による捜査が実施され、書類が検察へ送られていました。
メルカリ広報は事実関係を確認した上で、「社員保護のため今後も必要な法的対応を取る」との方針を表明しています。
田端信太郎氏は秋のメディア対応で、侮辱罪という法的枠組みについて認識が甘かったと述べる一方、投資家の立場から企業業績に基づいた評価を述べただけだと弁明しました。
スポーツ観戦での応援に例えながら、「観客席から選手のパフォーマンスに辛辣なコメントを送ることが犯罪になるのか」という趣旨の疑問を呈しています。
翌24日の動画配信では、「起訴状が来るまでコメントはできませんが、報道が事実であるならば、裁判が楽しみです。みなさん傍聴にきてください」とコメントし、「これからも萎縮することなく、投資家や株主の立場から経営に問題提起を続けていく」と今後の姿勢を明確にしました。
大手IT企業を渡り歩いた経歴 「炎上マーケティング」を公言
田端信太郎氏は1975年に石川県で生まれ、慶應義塾大学経済学部を卒業後、NTTデータに入社しました。
その後、リクルートで無料情報誌『R25』の立ち上げプロジェクトに参画し広告営業責任者を担当、ライブドアでは経営再生に関わりながら「BLOGOS」などの新規メディアを次々と創設しました。
コンデナスト・デジタルを経て、2012年にLINE株式会社の上級執行役員に就任。法人向けビジネスをゼロから構築し、同社の株式上場に大きく寄与しました。
2018年にはZOZOのコミュニケーションデザイン室長として活動した後、現在はオンラインサロン「田端大学」の塾長を務めながら、複数のスタートアップ企業でマーケティング顧問を兼任しています。
注目すべきは、田端信太郎氏自身が「炎上マーケティングでフォロワーを増やしている」と公言している点です。LINE在籍時にも物議を醸す発言で厳重注意処分を受けた過去があり、2021年にはCarstay株式会社の取締役在任中、差別を助長するとされた投稿により解任されています。












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