
米中両政府は10月25日から26日にかけて、マレーシアの首都クアラルンプールで5回目となる閣僚級貿易協議を実施しました。協議終了後、米国のベッセント財務長官は米メディアに対し、中国側がレアアース(希土類)の輸出規制を1年間延期する代わりに、米国は100%の対中追加関税発動を見送る方向で合意したと明らかにしました。
今回の協議には、米国側からベッセント財務長官と米通商代表部(USTR)のグリア代表が、中国側からは何立峰副首相らが出席しました。協議後、中国商務省の李成鋼国際貿易交渉代表も記者団に対し、「暫定的な合意に至った」と述べ、今後は双方が国内での承認手続きに移ると説明しました。
トランプ大統領は11月1日に100%の対中追加関税を発動すると表明していましたが、ベッセント氏は協議の結果「関税は回避された」と明言。中国はレアアースの新たな輸出規制案を公表しており、中国産レアアースをわずかでも含む海外製品でも輸出時に中国政府の許可を求める内容でした。
中国が事実上輸入を停止している大豆について、米国は再開を求めていました。ベッセント氏はインタビューで、米中首脳会談後に合意内容が公表されれば「米国の大豆農家はとても満足するだろう」と自信を見せました。さらに、合成麻薬フェンタニルの米国への流入対策についても支援を開始する方針で一致しました。
首脳会談で正式合意、対中関税10%引き下げ
10月30日、韓国南部釜山でトランプ大統領と習近平国家主席による米中首脳会談が約1時間40分にわたって行われました。会談後、トランプ氏は中国が米国産大豆の購入再開、レアアースの輸出継続、合成麻薬フェンタニルの違法取引取り締まり強化を条件に、対中関税を10%引き下げ47%にすることで合意したと明らかにしました。
レアアースの輸出規制については、今後1年間の継続で合意し、トランプ氏は「全て解決済みだ」と述べました。中国による米国産大豆の即時輸入再開についても合意。また、フェンタニル対策として中国製品に課していた20%の追加関税を10%に引き下げることで同意し、この関税引き下げは即時適用されると説明しました。
トランプ氏は会談後、米国に戻る大統領専用機内で記者団に対し、会談は「10点満点で12点だ」と高く評価しました。












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