人工筋肉で動く「Protoclone」筋骨格ヒューマノイドが現実のものに
- 2025/11/10
- ビジネス
- ポーランド, 世界初, 人型ロボット(ヒューマノイド)
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ポーランド発のロボットベンチャー・Clone Roboticsが2025年2月、世界で初めてとなる筋骨格ヒューマノイド「Protoclone」の全身稼働映像を発表しました。同社はこれまでSNSを通じて腕部分や上半身の開発経過を紹介してきましたが、頭部から足先まで全身が動く姿を披露したのは今回が初となります。
一般的なヒューマノイドロボットは、モーターや油圧で関節を動かす機械的な構造が主流です。一方Protocloneは、人体そのものを模倣する設計です。人間の体は、骨が腱でつながった筋肉によって動かされ、脳の信号で筋肉が伸び縮みすることで関節が曲がります。Protocloneはこの原理を応用し、人体と同じ206本の骨格構造に、約1000個の人工筋肉ユニットを組み込んでいます。
ロボットを動かす人工筋肉「Myofiber」は、Clone Roboticsが2021年に開発しました。メッシュで包まれた風船状の構造で、空気を送り込むと膨張しながら長さが縮み、その力で骨格を引っ張って関節を動かします。過去の実演では、腕だけの試作機が液体入りの灯油缶を持ち上げたり、電動ドリルを操作したりする様子が公開され、その滑らかな動きは本物の人間のようでした。
ロボットの動きの滑らかさを測る指標に「DoF(自由度)」があります。人間の股関節は3DoFですが、Protoclone V1も左右の股関節がそれぞれ3DoFを実現。一方、肩甲骨、鎖骨、上腕骨で構成される肩部分は合わせて20DoFに達し、腕全体では手・肘・手首を含めて26DoFという高い可動域を誇ります。こうした精密な動きは、人体の筋骨格構造を再現した設計思想があってこそです。
Protocloneの開発において、筋肉や骨格だけでなく、神経系や循環系の再現も重要です。人体で血管が栄養を運ぶように、Protocloneでは人工筋肉を動かす空気圧制御システムがその役割を担っています。Clone Roboticsは今後、反応速度と精度を向上させるため、油圧システムへの切り替えも視野に入れた開発を進めています。
また、人体の神経に相当する感覚系では、両目の位置に4つの深度センサー、バランス感覚を検知する70個の慣性センサー、筋肉レベルの力加減を感じ取る320個の圧力センサーなど、最終的には約500個ものセンサーを全身に配置する構想です。これらのセンサー情報は、頭部に搭載された「脳」に当たるNVIDIA Jetson Thor(GPU搭載コンピュータ)が処理し、その判断をもとに全身の人工筋肉へ指令が送られます。
人間に近づくロボット、その先にあるもの
Clone Roboticsが目指すのは、筋肉・骨格・神経・循環のすべてを人間の体そのままに再現することです。同社は、Protocloneを進化させた「Clone α Edition(クローンアルファエディション)」を279台限定で製造すると発表しており、2025年中にプレオーダーを受け付けています。
人体構造を模した筋骨格ヒューマノイドは見た目も人間に近づきますが、現段階では白く薄い人工皮膚をまとった「筋肉がむき出しの状態」で、まるで動く解剖模型のような独特の雰囲気です。
将来的には握手や会話のように人間とのコミュニケーションが図れるだけでなく、洗濯物を干す・たたむといった家事をこなせるロボットの登場を見据えています。人間の骨格と筋肉を再現したヒューマノイドが、将来「家事ロボット」として活躍する日も、そう遠くないかもしれません。









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