
11月10日、気候変動対策の国際的枠組みについて議論する国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)が、ブラジル・ベレンで開幕しました。2025年はパリ協定採択から10年の節目を迎え、「目標」から「実施」への転換を促す重要な位置づけとなる会議です。
COP30の前段階として行われた首脳級会合では、議長国ブラジルのルラ大統領が、温室効果ガスを吸収する熱帯林の保全を目的とした国際基金の創設を正式発表しました。この基金は、官民合わせて計1250億ドル(約19兆円)の規模を目指しており、熱帯林を保有する73か国に面積に応じて運用益の一部を分配する仕組みです。
ノルウェーが30億ドル(約4600億円)、ブラジルとインドネシアが各10億ドル(約1500億円)の拠出を表明しました。一方、日本は慎重な立場を示しており、英国も出資を見送る方針とされています。
今回の会議では、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑えるというパリ協定の目標達成が注視されています。2024年の世界平均気温は1.55度に達しており、目標達成が危ぶまれるなかでの開催となりました。
一方で、気候変動対策の国際枠組みから米国は離脱を表明しました。パリ協定からの脱退を決めたトランプ大統領は会議への出席を見送っており、各国の首脳から批判が相次いでいます。
COP30では、先住民の参加と役割にも注目が集まっています。ブラジルのソニア・グアジャジャラ先住民相は、「気候変動の影響は、すでに先住民の土地や大都市の周辺地域で、洪水や深刻な干ばつなど、さまざまな形で感じられている」と述べました。先住民が果たしてきた環境保護の役割への理解を深める機会として、COP30への期待を示しています。
日本を含む各国が新たな削減目標を提示
COP30の焦点は、各国が2035年に向けた新たな削減目標(NDC)を提出することです。日本は期限内に目標を提出し、「2035年度、2040年度において2013年比それぞれ60%、73%削減」という野心的な目標を掲げました。しかし、専門家からは「1.5度目標には不十分」との指摘もあり、各国による一層の強化が求められています。
会議は11月21日まで開催され、事務方の交渉を経て11月17日からは閣僚級の議論も行われる予定です。緩和・適応・資金といった主要分野における実効的な合意形成が、今後の世界的な気候変動対策の行方を左右する重要な会議となります。












-300x169.jpg)