
不正融資問題で揺らぐいわき信用組合に対して、金融庁が新たな対応に踏み切ります。立ち入り検査の際に虚偽の説明をしたとして、信組の元役員らの刑事告発を検討しています。同庁を所管する東北財務局が福島県警と協議する方向で、早ければ2025年内にも告発に踏み切る方針を固めています。虚偽説明の疑いについて詳しくお伝えします。
いわき信用組合は、2004年から20年間にわたって組織ぐるみの不正融資を続けてきました。顧客の名義を無断で使用した無断借名融資や事業実態のないペーパーカンパニーを通じた迂回融資など、複雑な手口で資金を流出させていたのです。第三者委員会による調査報告書では、不正融資の総額が約247億円から280億円に上ることが判明しており、そのうち10億円程度が反社会的勢力へ流れていたと指摘されています。金融庁は10月31日、新規顧客への融資業務を1カ月間停止するなどの行政処分を実施し、この問題の深刻さが明らかになっています。
今回問題となっているのは、金融庁の立ち入り検査における対応です。検査当時の元役員らが、融資情報を管理していたパソコンについて「破壊した」と虚偽の報告をしたというのです。実際には、重要な証拠となり得るこのパソコンが破壊されたわけではないとみられており、証拠隠滅を図ろうとした疑いまで浮上しています。金融庁では、この説明が協同組合による金融事業に関する法律違反(虚偽説明、虚偽答弁)に該当するとの見方を示しており、法的責任を問う必要があると判断しています。
いわき信用組合に対しては、東日本大震災後に公的資金200億円が投入されていた経緯があります。公的支援を受けた金融機関が組織的な不正を行い、検査でも虚偽説明をしていたという事実は、金融機関への信頼を大きく傷つけるものです。今回の告発検討は、金融機関に対する当局の厳しい姿勢を示すとともに、再発防止に向けた警告となるでしょう。
金融機関の信頼回復が急務
いわき信用組合をめぐる一連の不祥事は、地域の信用金庫や信用組合といった協同組織金融機関全体のガバナンスを問う深刻な問題となっています。長年にわたって経営陣による支配と隠蔽が続いた背景には、ガバナンスの機能不全があったと指摘されており、業界全体で体制の見直しが求められる状況です。組合利用者からは経営陣への厳しい批判の声が上がり、旧経営陣に対しては刑事・民事の責任追及方針も示されています。信用組合の社会的使命と信頼を回復させるため、徹底した透明性の確保と強固なガバナンス体制の構築が不可欠となってきました。

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