恐竜の研究において、前例のない発見が報告されました。モンゴルにて、恐竜の「のど」部分と推定される化石が発見されたのです。これはその分野における世界初の事例であり、既存の知見を根底から覆す可能性を秘めています。
福島県立博物館の吉田純輝学芸員らの研究グループは、約8000万年前の白亜紀に生息していた草食恐竜「ピナコサウルス」の化石から、のどの部分を発見しました。通常、のどは筋肉で下あごにぶら下がっているだけであり、非常に外れやすいことから、これまで化石にならないと考えられてきました。
しかし、今回発見された化石にはのどの部分があり、モンゴルで発見された化石は2種類の骨から形成され、その構造は現在の鳥類のものに酷似しているとのことです。これにより、恐竜が鳥のように多様な音声を出してコミュニケーションを取っていたと考えられ、研究グループは恐竜の音声進化を解明する第一歩だとしています。
この件に対してネット上では、「あの姿からは想像も付かない可愛い声でピヨピヨ鳴いて居たのかな」「どんどん変わっていくのですねぇ。常識は常に疑えですね」「いつかは完全な復元が見れるのかな」などの意見が寄せられています。
ピナコサウルスとは?白亜紀後期に生息していた中型のヨロイ竜
ピナコサウルスは、白亜紀後期(8000万〜7500万年前)に生息していた中型のヨロイ竜です。砂丘地帯での生息が推測されています。
この恐竜は、頭部に骨質の突起を備えているほか、尾の先には棍棒があり、捕食者に対抗する手段として使用していたとのことです。この棍棒は比較的小型ですが、その存在は生存戦略に重要な役割を果たしていたと考えられています。
鼻孔の周囲には2〜5個の卵型の穴があり、上顎には14本の歯が並んでいました。その穴の具体的な用途は解明されていませんが、この構造はピナコサウルスの生態を理解する重要な要素の1つです。
特筆すべきは、ピナコサウルスの子供の化石も同じ場所から発見されており、これは彼らが群れを作って生活していた可能性を示しています。また、子供の頃は尾の棍棒や骨質のヨロイが発達しておらず、これらの装甲は成長の過程で徐々に発達していったとみられています。
ピナコサウルスの生態や進化の過程は、恐竜研究における重要な情報を提供しており、恐竜の歴史や生物学的な背景を理解するための鍵となる可能性があるのです。今後のピナコサウルスの解明に注目が集まります。