クマ被害対策、兵庫県の3つの戦略が全国で注目。マイクロチップと専門職員で被害最小限

クマ被害対策、兵庫県の3つの戦略が全国で注目。マイクロチップと専門職員で被害最小限

深刻化するクマ被害に対応するため、今週から自衛隊による支援も開始されました。一方、兵庫県が推進する個体数管理の取り組みが全国で注目を集めています。同県が実践する3つの対策が、クマ被害の最小化に成功している理由を紹介します。

兵庫県が力を入れているのは、全国で唯一の「個体数管理」です。2003年以降、捕獲したクマ全頭にマイクロチップを埋め込み、野生に放ってきました。翌年の捕獲時にマイクロチップ装着クマの割合を調査することで、生息数を正確に推定するシステムです。

現在、3400頭以上のクマにマイクロチップが埋め込まれています。データから兵庫県内のクマは700~800頭と推定され、毎年15%の割合で増加していることが判明しました。これは放置すれば5年で個体数が倍増する速度です。

兵庫県では昨年2件、今年1件の人身被害に抑えられています。個体数が把握できるため、駆除すべき数量を科学的に計算でき、減少傾向なら山に放すという適切な判断が可能になるのです。

2番目の特徴は、全国で最多となる16人のクマ専門職員の配置です。猟友会などと連携し、高度な知識に基づいた対応を実現しています。3番目は「ゾーン捕獲」で、集落から200メートル以内の範囲に箱ワナを設置し、人里近くに住むクマを積極的に駆除しています。また、シカ対策用に多数保有していた箱ワナをクマ捕獲にも活用できるよう制度を変更しました。

クマ被害の複雑化—従来の”空白地域”にも出没

一方、京都のようにクマが生息していないはずの地域にも出没が報告されています。京都府木津川市では2007年から2024年までクマ目撃がゼロでしたが、11月8日までに49件の目撃情報が記録されました。市職員は「こんなところにクマが出るのは初めて。何をしたらいいのか、対策から勉強しなければならない」と困惑しています。

興味深いのは、福知山市周辺でどんぐりが豊作であるにもかかわらず、クマが人里に降りてくる状況です。従来の「山に食べ物が少ないから人里に出没する」という仮説が必ずしも成立しない事例が増えています。専門家は、個体数管理に基づいた適切な判断こそが、クマと人間の共存を実現する鍵だと指摘しています。

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. JR東日本のロゴ看板
    東日本旅客鉄道(JR東日本)およびグループ会社のビューカードは10月9日、同社が展開するインターネッ…
  2. 30年ぶりに高水準になった国内長期金利のチャート
    9月24日の東京債券市場において、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが3.075%まで…
  3. ニューヨーク街のアメリカ国旗
    9月14日のニューヨーク金融・債券市場において、アメリカの長期金利の指標である「10年物米国債利回り…

おすすめ記事

  1. 服役中に亡くなった受刑者の対応について東京報道新聞が取材した宮城刑務所の分類審議室で働く職員さん

    2024-10-31

    服役中に亡くなった受刑者はどうなる?宮城刑務所分類審議室の職員に聞く

    受刑者は全員が刑期を終えて出所できるとは限りません。健康上の理由で極めて重篤な状態に陥ったり、あるい…
  2. 網走刑務所で刑務作業を行う受刑者

    2025-7-21

    網走刑務所とはどんな場所?現役職員に聞いた歴史と受刑者の今

    強固な警備体制や凶悪事件の受刑者が収容されるイメージもある網走刑務所。映画やドラマなどの影響で、怖い…
  3. 函館少年刑務所で受刑者が作る刑務所作業製品「マル獄シリーズ」

    2026-6-12

    「売れるわけない」から年商7,000万円へ。函館少年刑務所の受刑者が作る「マル獄」は、なぜ全国で愛されるのか

    函館少年刑務所といえば、刑務所作業製品「マル獄シリーズ」。全国各地で開催される矯正展でも高い人気を集…

2026年度矯正展まとめ

2026年度 矯正展まとめ

【結果】コンテスト

【結果発表】ライティングコンテスト企画2025年9-10月(大阪・関西万博 第4回)

アーカイブ

ページ上部へ戻る