
2025年11月17日、内閣府が発表した2025年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値が、6四半期ぶりのマイナス成長となったことが明らかになりました。実質GDPは前期比0.4%減で、年率換算では1.8%の減少という厳しい結果です。米国の高関税政策による輸出の落ち込みや住宅投資の減少が主要因として挙げられていますが、注目すべき点は、このような経済的逆風の中でも個人消費が前期比0.1%増を維持し、6四半期連続でプラスを記録したことです。
一般的に経済が減速局面を迎えると、家計は消費を抑制する傾向にあります。しかし今回、消費が堅調に推移した背景には、国民の金融リテラシーの向上とそれに基づく適切な家計資産管理が大きく関係していると考えられます。政府が推進する「貯蓄から投資へ」というスローガンのもと、新NISA制度の活用により、多くの家庭が長期的な資産形成に取り組んでいます。このような積立投資や分散投資の実践が、一時的な経済変動に左右されない安定的な消費活動を可能にしています。
さらに2022年度から高校の家庭科で金融経済教育が義務化され、若い世代も含めて金融に関する基礎知識を学ぶ環境が整備されました。この教育が浸透することで、世帯が無駄な支出と必要な投資を区別し、ライフプラン(生涯設計)に基づいた堅実な消費・貯蓄・投資の判断ができるようになってきています。猛暑の影響で飲料やアルコール、外食などの需要が拡大したという点も消費支持を後押ししており、これもまた家計が環境変化に適応しながら柔軟に支出を調整できる成熟度の表れと言えるでしょう。
今後の日本経済の持続的成長と国民生活の充実を実現するためには、マネーリテラシーの一層の向上が不可欠です。特に低成長期においては、個人の金融知識がより大きな意味を持つようになります。税制面でも、基礎控除の引き上げや給与所得控除の拡大など、個人の実質的な手取りを増やす工夫が進められています。このような施策と国民の金融教育推進が相まって初めて、経済変動の中でも安心できる家計運営が実現できるのです。
金融教育の充実が経済の底力を支える
個人消費が経済全体の6割以上を占める中で、その安定性が国全体の景気動向を左右する重要な要素となっています。企業の設備投資が前期比1.0%増で4四半期連続のプラスを記録したのに対し、輸出が1.2%減で2四半期ぶりのマイナスという対比は、今後の経済成長が内需、特に個人消費にかかっていることを示唆しています。
このような局面では、国民一人ひとりがしっかりとした家計管理能力と投資知識を持つことが、社会全体の経済的安定性を高めます。金融経済教育推進機構(J-FLEC)は2024年4月より本格稼働し、官民一体となって戦略的に金融経済教育を実施しています。将来の利上げに備え、変動金利ローンの仕組みを理解することや、インフレーション下における資産価値の維持方法を学ぶことも重要になってきました。家計の金融リテラシー向上こそが、日本経済の強靱性を構築する最も確実な道筋となるのです。


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