自動運転レベル3時代を切り開く、DJIが農業ドローン新3機種を発表

自動運転レベル3時代を切り開く、DJIが農業ドローン新3機種を発表

民生用ドローン市場で世界的な地位を確立しているDJIは、11月18日に最新の農業用ドローン「T100S」「T70S」「T55」の3機種を発表しました。今回の新製品は、自動運転技術における「レベル3」に相当する高度な自律飛行機能を搭載し、大規模農場から小規模農家まで幅広いニーズに対応しています。

フラッグシップモデルとなる「T100S」は、最大離陸重量149.9キロ、タンク容量85リットルという大型スペックを誇ります。散布能力90キロ、吊り下げ運搬能力も95キロという性能により、果樹園での複雑な作業や重量のある農業資材の運搬にも対応可能です。

中規模農場向けの「T70S」は、タンク容量50リットル、散布・運搬能力ともに70キロとバランスの取れた設計となっており、コストパフォーマンスを重視する層にも受け入れられる設定です。また、エントリーモデルの「T55」は軽量化と利便性を追求し、1人でも容易に操作できる構造となっています。

これらの新機種は、2024年に発売された旧モデルに比べて軽量化とペイロード(積載量)の増加を実現していますが、最大の進化は安全システムにあります。T100Sには256ラインの新型LiDARが搭載され、点群密度が153%増加したことで、電線などの細い障害物の感知距離が5倍に向上しました。さらに、新型ミリ波レーダーによる毎秒25万点の点群取得により、障害物回避能力が大幅に強化されています。

特定の環境下では完全自動運転が可能となり、オペレーターは必要時のみ介入すればよいという実質的な「レベル3」運用を実現しました。DJIは特定条件下での修理費用を全額保証する制度を設けており、技術の信頼性を強調しています。

圧倒的な市場シェアと「誰でも使える」未来への展望

ハードウェアの進化に加え、DJIはドローン導入のハードルを下げるためのソフトウェア開発にも注力しています。同時にリリースされたスマートフォン用AIアプリは、虫害の写真を撮影するだけでAIが適切な飛行速度や薬剤量を提案し、作業計画を自動生成する仕組みです。これまでドローンを使っていなかった農家でも、精密な農業作業が容易になるでしょう。

DJIはすでに中国の農業用ドローン市場で圧倒的なシェアを握っており、日本国内においても7割程度のシェアを持つと推定されるなど、同市場を牽引しています。

「レベル3」相当の自動運転とAI支援により、農業ドローンの導入がより容易になったことで、高齢化が進む農業現場での省力化ツールとして、さらなる普及拡大が見込まれます。

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