Amazon創業者の宇宙企業が「アルテミス計画」に参画 打ち上げは2029年を予定
米航空宇宙局(NASA)は19日、有人宇宙飛行を目指す「アルテミス計画」で使用する月面着陸機の2社目の開発企業に、Amazonの創業者であるジェフ・ベゾス氏が立ち上げた宇宙開発企業のブルーオリジンを選んだと明かしました。ブルーオリジンの月面着陸機は、2029年の「アルテミス5」で使用される予定です。
ブルーオリジンは2000年に設立された企業で、将来の有人宇宙飛行を目的とした事業を進めています。また、民間資本で宇宙旅行を大幅に安くし、なおかつ信頼性を高める技術を開発しているのが特徴です。
そしてアルテミス計画とは、米国政府が出資する宇宙飛行計画のことで、2020年10月にこの計画を推進するため、米国、日本、カナダ、イタリアなど計8ヶ国が「すべての活動は平和目的のために行われる」といったアルテミス合意にサインしました。
2025年以降に月面に人類を送り、ゲートウェイ(月周回有人拠点)計画などを通じて、月への物資運搬、月面拠点の建設、月での持続的な活動を目指します。
NASAはすでにイーロン・マスク氏が率いるスペースXと月面着陸機の開発について契約しており、スペースXが開発している「スターシップ」は2025年のアルテミス計画の第3弾「アルテミス3」で、宇宙飛行士2人を乗せて月面着陸をする予定です。
月面着陸機「ブルームーン」の打ち上げは2029年
ブルーオリジンの月面着陸機「ブルームーン」は、2029年に計画されている「アルテミス5」で用いられる見込みです。計画によると、ブルームーンはまず無人でブルーオリジンのロケットを使ってゲートウェイまで運び、そこでNASAの宇宙飛行士2人が乗り込み、月面に着陸する予定とのことです。
この2人の宇宙飛行士は月の南極付近で約1週間滞在し、月を捜索した後、再びゲートウェイに戻ります。ブルームーンは全長約16メートルの月面着陸機であり、ロッキード・マーチン、ドレイパー、ボーイングなど防衛・航空宇宙大手と協力して開発を進めます。
契約は34億ドル(約4,700億円)規模で、さらにブルーオリジン幹部は記者会見で、この額を「大きく上回る」開発費を出資すると語っています。ネット上では、「ブルーオリジンの活躍に期待!」「有人火星探査機への試金石として成り得るものに期待できそう」「日本企業にも頑張ってほしい」などの意見が寄せられています。