
政府は11月28日、2025年度補正予算案を閣議決定しました。高市早苗首相が掲げる「責任ある積極財政」に基づく総合経済対策を実行するための予算となり、その一般会計の歳出総額は18兆3034億円に上ります。
今回の補正予算案は「強い経済を実現する総合経済対策」を実行するためのもので、経済対策関係費として約17兆7028億円が計上されています。前年度補正予算の13兆9433億円を大幅に上回る規模となりました。
歳入面では、新規国債を11兆6960億円追加発行する計画で、財源全体の約64%を国債が占めます。前年度補正予算の国債発行額6兆6900億円と比較すると約5兆円の増加となり、国債への依存度が高まっています。
一方、2025年度の税収見通しは当初予算から約2兆8790億円上振れし、初めて80兆円台に達する見込みです。税外収入や前年度剰余金も活用しましたが、膨らんだ歳出を賄うには至りませんでした。
経済対策は3本柱で構成されており、「生活の安全保障・物価高への対応」に8兆9041億円、「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」に6兆4330億円、「防衛力と外交力の強化」に1兆6560億円がそれぞれ計上されています。
物価高対策の具体策としては、2026年1月から3月使用分の電気・ガス料金を支援する事業に5296億円が盛り込まれました。また、自治体が地域の実情に応じて活用できる「重点支援地方交付金」は2兆円に拡充されました。
子ども1人あたり2万円を給付する「物価高対応子育て応援手当」には3677億円が充てられ、所得制限なしで全世帯が対象となります。成長投資ではAI・半導体産業への投資など17の戦略分野に重点配分されます。
財政の持続可能性と市場の信認確保が課題に
片山さつき財務相は閣議決定後の記者会見で、「まずは今の国民の暮らしを守る物価高対策を早急に講じる」と強調。「政府債務残高の対GDP比を引き下げ、財政の持続可能性を実現し、市場の信認を維持していきたい」とも述べ、財政規律への配慮も示しています。
高市首相は、当初予算と補正予算を合わせた2025年度の国債発行額が約40.3兆円となり、昨年度の補正後発行額約42.1兆円を下回ると指摘しています。しかし補正予算単体で比較すると新規国債発行額は昨年度を大幅に上回っており、財政悪化への懸念は払拭されていません。
政府は補正予算案を12月上旬にも国会に提出し、年内の成立を目指す方針です。大型補正予算の常態化への批判や長期金利の上昇傾向など、「高市財政」に対する市場の評価は依然として厳しい状況が続いており、今後の財政運営の行方が注目されます。












-300x169.jpg)