緊急用以外の避妊薬が米国で初めて市販化 薬局やコンビニで購入できるように

HRAファーマ社の経口避妊薬「Opill(オーピル)」が13日、米食品医薬品局(FDA)によって市販薬として承認されました。これにより、米国で初めて緊急用以外の避妊薬が市販化されることとなり、薬局やコンビニ、さらにはオンラインショップなどで購入可能となります。

米国では2022年6月、連邦最高裁判決で州による人工妊娠中絶の禁止が許容され、中絶を原則として禁止にする州が増加しました。年間約600万件の妊娠のうち、半数近くが「意図しない妊娠」とされている現状があります。

中絶規制が強化され、避妊への関心が高まっている中、FDAは「避妊薬の市販化により、意図しない妊娠を避けやすくなる」と述べています。オーピルは毎日同じ時刻に服用し続けることで避妊が可能となる薬で、2024年前半に市販が開始される予定です。

これまで米国では、性交から72時間以内の使用を想定した緊急避妊薬以外、避妊薬の購入には処方箋が必要でした。オーピルが市販薬として販売されることで、新たな避妊の選択肢を広げるきっかけとなることでしょう。

ネット上では、「経口避妊薬、望まない妊娠をしない為にあった方が良いとは思う」「望まない妊娠を避けるためには容易に手に入る方法も必要」「簡単に買えると性事情は荒れるし性病の蔓延なども心配」など、さまざまな意見が寄せられています。

日本でも市販化される?現時点での避妊薬の購入方法

日本でも経口避妊薬の市販化を求める声があがっています。しかし、現時点では医師の診察を受けた上で、購入には処方箋が必要となります。そのため、薬局やコンビニ、オンラインショップなどで気軽に購入することはできません。

一方で緊急避妊薬(アフターピル)については、一定の要件を満たす薬局に限定し、夏ごろから調査研究として試験的に販売の運用を始めることを、厚生労働省が6月26日に決定しました。

薬局でも医師の処方箋なしで購入できるようになる方針で、全都道府県で偏りのない試験運用を2024年3月までに行う予定です。検討会議では、「課題に対応した上で早期の(正式な)市販化が望まれる」との意見も出ています。

試験運用の薬局では、研修を受けた薬剤師が販売する、夜間や土日祝日の対応が可能、近くの産婦人科などと連携できる、プライバシーが確保できるなどの要件が設けられています。今後の緊急避妊薬の市販化に注目が集まります。

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