
フジテレビは、自動車レースの最高峰「F1」の日本国内における放送・配信権を独占取得しました。契約期間は2026年から2030年までの5年間で、11年ぶりの地上波中継再開となります。同局は1987年にF1日本グランプリの中継を開始して以来、アイルトン・セナとアラン・プロストの時代から長くF1中継を続けてきましたが、地上波での放送は2015年シーズンを最後に終了していました。
今回の独占契約により、フジテレビは地上波、CS、有料配信サービス「FOD」を組み合わせたプラットフォーム展開で「F1のフジ」の再ブランディングを図ります。契約期間中は日本国内における放送と配信の権利を一括して保有し、一体的に展開する新時代のF1視聴体験の提供を目指しています。
地上波では最大5戦をダイジェスト形式で放送し、FODやCSチャンネルでは全24戦の全セッションをライブ中継する計画です。CSや配信でフルライブ中継を行いつつ、地上波ではダイジェスト枠を活用して一般視聴者層へのリーチを広げ、従来のF1ファンと新規層の双方を取り込む戦略です。
1980〜90年代には、フジテレビのF1中継は中嶋悟ら日本人ドライバーの活躍や古舘伊知郎アナウンサーの実況などとともに社会現象的な人気を集めました。有料CS放送や配信サービスで視聴するスタイルが主流となり、地上波からは姿を消していましたが、世界的なF1人気の再燃やストリーミングを軸にしたビジネスモデルの拡大を受け、フジテレビが全面的な大型投資に踏み切った形です。
F1日本グランプリが初開催された1987年の中継開始から数えて、2026年はフジテレビのF1中継40年目の節目にあたり、制作面でも広報面でも「復活」を強く打ち出すシーズンになりそうです。
地上波・配信・CSの三位一体戦略で新規ファン開拓へ
今回の独占契約の特徴は、従来のCS中心の展開から、地上波と配信を加えた三位一体の構成に軸足を移す点にあります。地上波では深夜帯を中心に最大5戦のダイジェストを放送し、F1を日常的に目に入る機会を増やすことでライト層へのアピールを強める方針です。
配信では、「FOD」がF1独占配信プラットフォームとなり、F1公式ストリーミングサービス「F1 TV」と連携。「FOD F1プラン」は3コース構成で、全セッションを日本語実況で視聴できる「スターター」コース(月額3880円)、F1公式配信サービスへのアクセス権が付く「プロ」コース(月額4900円)、4K HDR対応の最上位「チャンピオン」コース(月額5900円)が用意されています。
CS放送でも全セッションのライブ中継を担い、長年F1中継を担ってきた解説陣の継続起用により、コアファンのサポートを維持しています。
かつてのF1ブームを知る中高年層に加え、配信やSNS経由でモータースポーツに触れる若年層・女性ファンへのアプローチも課題となるなか、フジテレビは連動番組企画やタレント起用など視聴シーンの多様化に対応したコンテンツ作りを進める方針です。












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