岸田首相が新型コロナを「5類」に移行させるよう指示 厚生労働省が議論を進める

岸田文雄首相は20日、世界で猛威を奮っている新型コロナウイルスの感染症法上の扱いを巡り、季節性インフルエンザと同様の「5類」へ今春に移すよう指示しました。首相官邸にて、加藤勝信厚生労働相や後藤茂之経済財政・再生相と協議して伝えました。

岸田文雄首相は記者団に対し、「原則として春に5類とする方向で専門家に議論してもらいたいと確認した」とコメント。さらに医療費の公費負担に関して「平時の日本を取り戻していくために、さまざまな政策措置を段階的に移行する」と語りました。

また、岸田文雄首相は「一般的なマスク着用の考え方など感染対策のあり方も見直していく」と、日本のマスク強要社会を変えていく方針を示しました。

指示を受けた厚生労働省は23日、専門家による部会を開き、本格的な議論を始めています。医療体制や公費負担のあり方が焦点であり、厚生労働省は今月中に移行する時期を決定し、個別の課題についても議論を本格化させる方針です。

新型コロナウイルス感染症が「5類」に移行したらどうなる?

政府の指示通り、新型コロナウイルス感染症が「5類」に移行すると、一般の医療機関でも入院患者の受け入れが可能になります。それに伴い、医療機関の負担軽減が期待されています。

しかし、「5類」に移行することでデメリットがないわけではありません。医療機関の負担が大幅に軽減されますが、その一方で新たに受け入れを開始する医療機関での感染防止対策が課題となります。

また、現時点で公費負担となっている医療費の一部が自己負担になることで、受診を控えるケースが発生するのではないかと懸念されており、公費負担をどのように継続していくのかが議論されています。

その上、厚生労働省は「5類」への移行に合わせ、新型コロナウイルス感染症における無料のワクチン摂取を続けるのかどうか、議論を重ねています。そのほか、政府が想定する「5類」移行後の対応は以下の通りです。

現在「5類」移行後
感染者の待機原則7日間なし
濃厚接触者の待機原則5日間なし
緊急事態宣言発令可能発令不可
医療費公費負担一部公費負担
診療発熱外来が中心一般の医療機関
マスク屋内で推奨原則不要

新型コロナウイルスの感染症法上の扱いが「5類」に移行すると、社会全体の意識が大きく変わります。マスクの着用も原則不要になることで、飲食店や娯楽施設でのマスク推奨が改善される見通しです。岸田文雄首相や厚生労働省の今後の動向に注目が集まります。

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