ハワイのマウイ島を襲った山火事により、13日時点で93人の死者が確認されています。被害の全容が明らかになる中、被災地の再建に必要とされる費用は、約8,000億円にのぼるとの試算が示されました。
出火直後、進行方向に渋滞した車が突風による火炎で次々と爆発。渋滞で進めないこともあり、避難が困難な状況になります。被害の動画を撮影した人は「次々に車が爆発していきました」という生々しい証言を語っています。
また、撮影者は「海に向かって突風が吹いて火が私たちに迫ってきました」と述べ、火の迅速な進行とその危険性を強調しました。映像が撮影されたのは、ハワイの景観が広がる海沿いの道です。
沿岸警備隊の報告によれば、約100人が火を避けるために海に飛び込んだとされています。人口約16万人を有するマウイ島の沿岸部では、渋滞した車がそのまま残されていることから、火炎からの避難が極めて困難であったことが伺えます。
13日時点では、少なくとも1,000人と連絡が取れていない状況です。ハワイ州のグリーン知事は、「死者数は今後も増えるでしょう」との見解を示しています。被災者からは「全て失ってしまった。もう命しか残っていません」という声があがっており、被害の大きさを物語っています。
米国の関連当局は、被災地の再建のための費用として、およそ8,000億円が必要との試算を発表しました。近日中に空港の滑走路1本が、支援物資を専門に扱うためのものに切り替えられる予定です。
マウイ島の北西部にあるラハイナが山火事により壊滅
マウイ島の北西部には、ハワイ王国に関連したラハイナや、リゾート地としてのカアナパとカパルアが存在します。ラハイナは、一昔前には捕鯨で賑わう漁村でしたが、現在は多くのレストランやショップが立ち並び、活気を見せています。
しかし、マウイ島・ラハイナは山火事により壊滅状態になりました。木々や建物が山火事によって焼け、街全体が灰色に染まっています。かつての観光地の姿がどこにもありません。山火事による被害は、過去100年で最も大きなものとされています。
マウイ郡広報は「ラハイナの街はもうなくなった」「非常に困難な日々が続くと思います」と語りました。マウイ島の山火事では、約100人が火災から逃れるために海へと飛び込み、その後海上で17人が救助されましたが、行方不明者が多数います。現在も捜索が続いているとのことです。