韓国の合同捜査本部は、内乱の疑いで尹錫悦大統領の拘束に乗り出しましたが、大統領警護庁の強力な抵抗に直面し、計画を断念せざるを得ませんでした。
3日朝、捜査本部は拘束令状を取得して、大統領公邸への強制捜査を開始しました。しかし、警護庁がバスや乗用車で道路を封鎖し、200人以上の職員が立ちはだかるなど、物理的に立ち入ることができない状況に陥りました。
捜査員の安全が確保できないと判断した捜査本部は、令状の執行を断念。大統領側の対応を「非常に遺憾だ」と批判する一方で、警護が続く限り拘束は事実上不可能だと認めざるを得ませんでした。
拘束令状の期限は6日までで、捜査本部は戦術の練り直しを迫られています。韓国の政治的混乱は収束の兆しを見せず、事態の行方が注目されます。
ネット上では、「韓国は政治が未成熟な国であることを露呈している」「そもそも権力を握っている側が内乱を起こすというのは意味不明である」「人数をかけた割には何ともお粗末な逮捕劇でしたね」などの意見が寄せられています。
令状執行に向けた実際の流れ 「大統領の拘束は認められない」
韓国の尹錫悦大統領が「非常戒厳」を宣言したことをめぐり、合同捜査本部は12月31日、内乱を首謀した疑いで大統領の拘束令状を取得しました。3日朝には捜査官らが令状を執行するため、ソウル市内の大統領公邸に向かいましたが、そこには予想外の事態が待ち受けていたのです。
公邸前には早朝から大勢の警察官が配置され、厳戒態勢が敷かれる中、尹錫悦大統領の支持者たちも集結。「大統領の拘束は認められない」などのシュプレヒコールが上がる騒然とした雰囲気の中、捜査官らは公邸の敷地内に入ることができました。
しかし、そこでは軍の部隊と対峙する事態に発展。尹錫悦大統領の弁護団は「不法で無効な令状の執行だ」と反発し、警護庁も公邸の捜索を拒否する構えを見せました。膠着状態が続く中、合同捜査本部は午後になって、ついに令状の執行を断念せざるを得ませんでした。
仮に拘束令状が執行されていれば、尹錫悦大統領はソウル近郊で取り調べを受けることになっていたと言います。一方、北朝鮮国営メディアは、韓国の混乱を「国政がまひし、社会・政治的な混乱がさらに拡大している」と伝えています。
それに対して専門家は、北朝鮮が自国民に韓国の混乱を強調することで、体制の安定性をアピールしようとしているのではないかと指摘しています。