米国の自動運転技術大手ウェイモは、2025年から東京都内で自動運転の実証実験を開始します。配車アプリ企業のGOや日本交通と提携し、都心部の公道で自動運転車の走行テストを行う計画です。
ウェイモは既に米国の6都市で自動運転車を使った無人の配車サービスを展開しており、週あたり10万回以上の利用実績を誇ります。日本での実証実験は、同社にとって初の海外進出となります。
実験では、日本交通の運転手が同乗しながらウェイモの自動運転車を運転し、地図データの収集などを進めます。将来的には、特定の条件下で完全無人運転が可能となるレベル4の自動運転サービスの商用化を目指しています。
日本のタクシー業界では運転手不足が深刻化しており、自動運転技術の活用により、この問題の解決が期待されます。ウェイモは2025年以降、日本での事業エリアをさらに拡大していく方針です。
ウェイモは、Googleを擁するアルファベットの子会社です。2016年に設立され、自動運転技術の開発を続けてきました。2018年には、自動運転車を配車するサービス「Waymo One」の提供を開始しています。
ネット上では、「本当に安全なのか?」「なぜ日本の会社の自動運転車より外国の車を使う?」「自動運転はやっぱり怖い」などの意見が寄せられています。
東京を実証実験のエリアに選んだ理由 都市部の密集した環境
米自動運転大手のウェイモが東京を実証実験の舞台に選んだ理由の1つは、都市部の密集した環境にあります。同社は英ジャガー・ランドローバーの電気自動車を使用しており、充電切れの際は自動で充電スタンドに向かう仕組みです。
現状、電気自動車の航続距離は限られているため、狭いエリアで十分な利用者を確保できる東京が最適と判断されました。
日本では、人手不足に悩むタクシー業界が自動運転に活路を見出そうとしています。配車アプリ大手のGOも、ウェイモとの提携により無人タクシーの実現を目指しています。
ただし、安全面での技術的な課題は残されており、米ゼネラル・モーターズ(GM)は事故を理由に自動運転タクシー事業から撤退を表明しました。
自動運転の技術改良には、AI技術の進歩が欠かせません。ウェイモの親会社であるアルファベットは、画像生成AIなどの基盤技術の高度化に注力しています。実際の交通データを用いたシミュレーション技術を発展させ、人や車両の動きをより正確に予測することで、事故の回避を目指します。
専門家からは、ウェイモの自動運転技術は世界トップレベルにあり、国内企業にとっては脅威となる存在だと指摘されています。日本での実証実験の行方が注目されます。