原油懸念後退で日経平均5日ぶり反発 終値5万5239円、半導体と資源関連に買い

東証マーケットセンタ

18日の東京株式市場で日経平均株価は5営業日ぶりに反発し、終値は前日比1539円01銭(2.87%)高の5万5239円40銭と、この日の高値圏で取引を終えました。終値ベースで5万5000円台を回復するのは約1週間ぶりで、前日までに3月入り後の下げ幅が5000円を超えていた中、中東情勢を巡る過度な悲観がやや後退したことが大幅反発につながった形です。東京証券取引所プライム市場では、値上がり銘柄数が全体の9割を超え、33業種すべてが上昇する全面高となりました。

原油市場では、ホルムズ海峡の封鎖が実質的に長期化するとの懸念が一時強まり、ニューヨーク原油先物が1バレル110ドル台に乗せる場面もありましたが、足元では通常取引で96ドル台で終えた後、時間外取引で下落に転じるなど、上昇ピッチの鈍化が意識されています。日本は輸入原油の約9割を同海峡経由に依存しており、3月初旬には封鎖観測から株価急落と原油急騰が同時進行していましたが、その後は米政府などの対応を受けて「最悪シナリオは回避されつつある」との見方も台頭しています。

この日の相場をけん引したのは、東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体関連株でした。米半導体大手マイクロン・テクノロジーの決算発表を18日(日本時間19日)に控え、メモリー市況の回復期待や設備投資拡大への思惑から、先回りの買いが広がりました。加えて、米連邦公開市場委員会(FOMC)が日本時間19日未明に結果を公表するのを前に、「今回は利下げ見送りだが、原油高を通じたインフレ懸念で年内利下げ回数の見通しが維持されるかが焦点」との見方がエコノミストから出ており、金利動向をにらみながらもリスク資産への資金流入は続いています。

一方、今週は日米首脳会談など国際イベントが相次ぐことも投資家心理を支えました。19日にワシントンで予定される高市早苗首相とドナルド・トランプ米大統領の会談では、南鳥島沖で確認されたレアアース(希土類)や、リチウム、銅などの共同開発で合意する方向と報じられています。三菱マテリアルや三井物産が米国内のレアアース精製やリチウム鉱山開発プロジェクトに参画し、対中依存度の引き下げとサプライチェーン強化を日米主導で進める構想です。これを好感し、18日の東京市場では三菱マテリアルや三井物産の株価が急伸する場面もみられました。

日米首脳会談とFOMC控え「第一関門」 資源・エネルギー政策も焦点に

市場では、日米首脳会談をきっかけにレアアースなど戦略物資の安定調達に向けた枠組みづくりが進めば、日本の資源・エネルギー安全保障が一定程度補強されるとの期待があります。ABEMATIMESなどの報道によれば、日米はレアアース価格の下限を設ける「最低価格制度」の導入についても協議する方向で、中国からの安価な供給への依存を減らし、欧州連合(EU)なども含めた多国間連携を模索すると伝えられています。高市首相はホルムズ海峡への艦船派遣を巡る対応でもトランプ大統領と意見交換する見通しで、日本のエネルギー安全保障政策が外交・安全保障の議題として一段と前面に出る可能性があります。

他方で、米FOMCの結果とあわせて公表される政策金利見通し(ドットチャート)を受けて、市場の利下げ期待が後退すれば、株式市場のボラティリティが再び高まるリスクも指摘されています。日本市場は20日の東京証券取引所が春分の日で休場となり、週末を含め3連休となるため、イベント通過後はポジション調整の売りが出やすいとの見方も根強いです。証券会社のアナリストからは「日米首脳会談までは日経平均が5万5000円台を維持できるかが、本格的な持ち直しに向けた第一関門になる」との声も聞かれ、原油や中東情勢の一進一退とあわせて、短期的には神経質な展開が続きそうだとの見方が大勢です。

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