
宇宙事業会社「スペースワン」(東京都港区)は、小型ロケット「カイロス」3号機を2026年3月1日午前11時に打ち上げると発表しました。当初は2月25日に打ち上げを予定していましたが、天候への影響を考慮して延期されており、このたびの仕切り直しとなります。
「カイロス」は全長約18メートル、重量約23トンの小型固体燃料ロケットで、民間企業単独で衛星を軌道に投入することを目指すプロジェクトです。2024年3月に打ち上げられた初号機は、内閣衛星情報センターの短期打上型小型衛星を搭載しましたが、発射約5秒後に自律飛行安全システムが作動して飛行を中断し、射場直上付近で爆発したため軌道投入には至りませんでした。
3号機には、日本の民間企業の衛星に加え、台湾国家宇宙センター(TASA)の衛星「NutSat-3」を含む計5基の衛星が搭載されます。
和歌山県や周辺自治体などで構成する「スペースポート紀伊周辺地域協議会」は、串本町田原海水浴場と那智勝浦町の旧浦神小学校に公式見学場を設置しました。3月1日午前7時から午後2時まで見学イベントを実施する予定です。入場は事前配布済みの入場券を持つ人が対象で、追加販売は行われないとのことです。
スペースワンはこれまでの2度の失敗を踏まえ、推進薬の燃焼速度の予測精度向上や飛行正常範囲の見直しなど、安全システムの改善を進めてきました。地元では、国内初の民間本格宇宙港としてのブランド確立や観光振興への期待が高まる一方、打ち上げ延期やトラブル時の安全確保、騒音・交通渋滞への対応といった課題もあります。
成功すれば日本の民間ロケットとして初の衛星軌道投入達成となることから、国内宇宙ビジネスの行方を占う一歩として注目されています。
3度目の挑戦にかかる期待と地域への経済効果
「カイロス」3号機の打ち上げ成功は、スペースワンにとって技術的な信頼回復とビジネスモデルの実証の両面で大きな意味を持ちます。
搭載される5基の衛星のうち、台湾国家宇宙センター(TASA)の衛星は国際協力案件でもあり、日本発の民間ロケットによるアジア圏の打ち上げ需要への対応という観点からも注目を集めています。
地域に目を向けると、「スペースポート紀伊」を核とした観光振興や宇宙教育の展開が進行中です。串本古座高校では2024年度に公立では日本初の宇宙専門「宇宙探求コース」が新設されており、和歌山県の試算では射場立地による10年間の経済波及効果は約670億円に上ります。
これまでの延期や失敗が周辺ビジネスにも影響を与えてきたことから、安定した打ち上げ運用の実現が今後の課題といえるでしょう。












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