SpaceX、13時間で3度のロケット打ち上げに成功 マスク氏は火星移住計画を発表

イーロン・マスク氏率いるSpaceX(スペースX)が3月中旬、わずか13時間という短時間のうちに3機のロケットを連続して打ち上げることに成功し、民間宇宙企業の飛躍的な技術進化を改めて示しました。
この短期集中打ち上げは3月14日、フロリダ州のケネディ宇宙センターから始まりました。午後7時3分(米東部時間)、国際宇宙ステーションへの補給ミッション「Crew-10」として宇宙飛行士を乗せた「Crew Dragon」を搭載した「Falcon 9」ロケットが飛び立ちました。
その約4時間後には場所を西海岸に移し、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地から2回目の打ち上げを実施。「Transporter 13」と名付けられたこのミッションでは、74個もの多様なペイロード(小型衛星など)を太陽同期軌道に投入しました。
この打ち上げでは特筆すべき節目も達成され、「Falcon 9」の第1段ブースターが通算400回目の着陸に成功しました。
さらに翌15日午前7時35分には再びフロリダ州に戻り、ケープカナベラル宇宙軍基地から23機の「Starlink」衛星を軌道に投入。このうち13機はスマートフォンと直接通信できる「Direct to Call」機能に対応した新型衛星です。
海外メディアの報道によれば、SpaceXは2025年に入ってから既に31回の「Falcon 9」打ち上げを成功させており、そのうち約3分の2は同社の衛星インターネットサービス「Starlink」の拡充に充てられています。
宇宙ビジネスの最前線を走るSpaceXの猛スピードの運用体制は、宇宙開発の常識を塗り替え続けています。
イーロン・マスク氏、火星移住計画の新たな工程表を発表
スペースX創業者のイーロン・マスク氏が3月15日、火星への有人ミッションに関する新たな計画をXで発表しました。同氏の投稿によれば、まず2026年末にテスラ製人型ロボット「オプティマス」を搭載したスターシップを火星に送り、その成功を足がかりに人類の火星着陸を目指すとしています。
「早ければ2029年にも人類を火星へ送ることを目指す」としていますが、同時に「2031年の方がより現実的かもしれない」と慎重な見方も示しています。究極的な目標として「希望者が誰でも火星へ行けるようにすること」や「火星を自立した文明にすること」を掲げています。
イーロン・マスク氏はこの火星計画を、地球文明の「保険」と位置付けており、「2040年代までに100万人が火星に住むことを想定している」と社内で語ったと報じられています。
ただ、同氏の過去の計画が延期や中止を繰り返してきた経緯から、この新たな目標について実現性を疑問視する声も。イーロン・マスク氏の今後の動向に注目が集まります。