三菱商事が「ケンタッキー」日本KFCの全保有株式の売却を検討 売却額は数百億円

三菱商事が、所有する「ケンタッキーフライドチキン」を運営する日本KFCホールディングスの全保有株式の売却を検討していることが、28日にわかりました。三菱商事は日本KFCにおいて約35%の出資比率を有しており、その売却を通じて収益力をさらに強化する方針です。

売却プロセスは近く開始される1次入札から始まり、外資系ファンドや外食産業の大手が応札する見込みです。日本KFCの時価総額は約900億円に上り、売却額は数百億円に達すると予測されています。

応札者は同社の安定した事業基盤や、大都市圏での新たな出店機会、収益改善の見込みに注目しています。ただし、米国のファストフード大手ヤム・ブランズとの間のフランチャイズ契約が売却交渉に影響を与える可能性があります。

また、三菱商事は小売セクターの再編に積極的で、最近ではローソンの経営権をKDDIと共有する形での共同経営への移行を発表したばかりです。この動きは、同社が小売事業におけるさらなる強化と効率化を進めていることを示しています。

ネット上では、「ケンタッキーはケンタッキーのままでいて欲しいと言う想いと、もっと柔軟に色んなメニューを欲しいとか、お店をもっと増やしてほしいとか、値段が少し高いとかもある」「日本の企業はもっと自分の会社のことを考えた方がいいと思います」「三菱商事とは知らなかった」などの意見が寄せられています。

日本KFCは順調に成長を続ける 昨年度の売上高は約1,000億円

1970年に米国のケンタッキーフライドチキンと手を組み、日本法人を立ち上げた三菱商事は、長年にわたり筆頭株主として35%の株式を保有し続けてきました。この間、日本KFCは順調な成長を遂げ、昨年度の売上高は1,000億円近くに達するなど、堅調な業績を維持しています。

また、日本KFCの店舗数は2023年末時点で1,229に及び、コロナ禍での持ち帰り需要の増加により、さらなる業績の向上が期待されています。2024年3月期の連結業績予想では、売上高が前期比10%増の1,100億円、営業利益は57.4%増の57億円と予測されています。

しかし、三菱商事は現在、保有する株式の売却を視野に入れた検討を進めており、その方針の下、近く入札を開始する予定です。入札には複数の企業が応札する見通しで、最終的には売却するかどうかを含めた具体的な検討が行われることになります。

また、三菱商事はこの動きとは別に、ローソンについてもKDDIとの共同経営への移行を発表するなど、積極的に事業や資産の見直しを進めています。大手証券アナリストは、「人口減で国内市場が縮小するなど事業環境が大きく変化している。業績が好調なうちに事業構成を見直す動きが今後、相次ぐのではないか」と指摘しました。

この件について、三菱商事は「グループ会社の成長戦略は常に検討しているが、決定した事実はない」とコメントしています。

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. 3月に日本を訪れた外国人旅行者数が推計308万1,600人に達し、単月として初めて300万人を超え、…
  2. JR東海は17日、2026年から東海道新幹線の一部車両に個室席を設置すると発表しました。多様化する乗…
  3. 三菱商事は、保有する約35%の株式全てをカーライル・グループに売却する方向で最終調整を行っており、早…

おすすめ記事

  1. 「子どもにとってゲームは良い影響?悪い影響?アメリカではIQが上昇する研究報告」ライター:秋谷進(東京西徳洲会病院小児医療センター)

    2023-10-22

    子どもにとってゲームは良い影響?悪い影響?アメリカではIQが上昇する研究報告

    アメリカの大規模調査では、2022年には71%の子どもたちがゲームをしていると答えています。日本の2…
  2. 「発達障害の子どもたち 私立の小・中学校は適応できるのか?」ライター:秋谷進(東京西徳洲会病院小児医療センター)

    2024-3-24

    発達障害の子どもたち 私立の小・中学校は適応できるのか?

    発達障害は脳機能の発達の遅れと考えられ、マイペース、独特、天然などは脳の個性と考えられています。子ど…
  3. 「血液型って4つだけ?組み合わせによって種類は数百万」ライター:秋谷進(東京西徳洲会病院小児医療センター)

    2024-3-27

    血液型って4つだけ? 組み合わせによって種類は数百万

    お父さんの血液型がAB型、お母さんがO型。お子さんがO型ってことあるの?血液型は4つしかないの?私た…

【募集中】コンテスト

第5回ライティングコンテスト(東京報道新聞)

【結果】コンテスト

東京報道新聞第4回ライティングコンテスト (結果発表)

インタビュー

  1. ゴミ収集車の死亡事故による呼び捨てでの実名報道で訴訟を起こした品野隆史氏
    現在メディアでは、事件に関して疑いのある人の実名報道では「容疑者」を呼称でつけていますが、1989年…
  2. 青森県で協力雇用主として出所者の社会復帰を目指して雇用する企業「有限会社松竹梅造園」代表の渡辺精一様
    協力雇用主とは、犯罪や非行をした者の自立や社会復帰に向けて事情を理解したうえで就職先として受け入れる…
  3. 青森刑務所で受刑者に講話を行った受刑者等専用の求人誌「Chance!!」編集長・三宅晶子氏
    三宅晶子氏(株式会社ヒューマン・コメディの代表取締役)は、日本初の受刑者等専用求人誌「Chance!…
ページ上部へ戻る