
ソニーグループとホンダが共同出資するソニー・ホンダモビリティは3月25日、発売直前だった第1弾「AFEELA(アフィーラ)1」の発売・納車を中止するとともに、開発中だった第2弾モデルの開発も中止すると発表しました。ホンダが3月12日に四輪電動化戦略の抜本的な見直しを発表したことで、同社からの技術・アセット提供を前提としていた事業継続が困難になったためです。
開発中止となったアフィーラ1は、5人乗りのラージセダンです。91kWhバッテリーで最大約482km(300マイル)の航続距離を目指しており、40個のセンサーと800TOPSの演算能力を持つ高度な運転支援システム「AFEELA Intelligent Drive」(レベル2+)を搭載していました。
価格はスタンダードモデルで8万9900ドル(約1400万円)からで、北米では2026年中旬の納車開始、2027年前半には日本市場への投入も予定されていました。すでに米カリフォルニア州で予約を受け付けていた顧客には、予約金を全額返金する方針です。
ソニー・ホンダモビリティは2022年9月に設立。ソフトウエアを軸にしたスマートEVで新しい価値を提案する「異業種連合」として注目を集めてきました。ソニーは車内を音楽・映像などエンタメコンテンツの体験空間として開拓することで収益拡大につなげる構想を描き、ホンダはEVの品ぞろえ充実と将来的なコスト削減効果を期待していた形です。
ホンダは北米で予定していた「Honda 0 SUV」「Honda 0 Saloon」「Acura RSX」の3車種の開発・発売中止を3月12日に決定。今期と来期以降を合わせた関連損失として最大2兆5000億円の計上見通しを示しました。
米トランプ政権によるEV購入補助金の見直しや環境規制「ACCⅡ」の事実上の撤回で、米国でのEV需要は伸び悩んでいます。ホンダはこうした政策転換を戦略見直しの背景に挙げており、2026年3月期は上場以来初の最終赤字に転落する見込みです。三部敏宏社長が就任時に掲げた「脱エンジン宣言」に基づくEV中心戦略は、大幅な修正を迫られています。
日本勢のEV戦略見直しと中国勢の台頭
ソニー・ホンダモビリティのEV開発中止は、日本勢の電動化戦略に転換が迫られている現実を改めて浮き彫りにしました。ホンダがEV一辺倒からハイブリッド車中心へのリソース見直しを打ち出したほか、スバルも2030年までに1兆5000億円を投じる電動化計画の修正を表明しており、日本メーカー各社の対応が続いています。
一方、中国の比亜迪(BYD)は2025年にEV販売台数でテスラを抜き、暦年ベースで初の世界首位を獲得。スマートフォン大手の小米(シャオミ)もEV事業で営業黒字を達成しました。ソニーとホンダが約3年半をかけて築いた異業種連合の夢が潰えた今、両社の次の一手が問われています。












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