MUFG、定年65歳へ延長 55歳一律減給を廃止し若手賃上げも

MUFG、定年65歳へ延長 55歳一律減給を廃止し若手賃上げも

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、傘下の三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券で定年年齢を引き上げると発表しました。 2027年度から定年を現行の60歳から65歳に延長し、経験豊富なシニア人材が長く活躍できる基盤を整備します。 あわせて三菱UFJ銀行では、55歳を機に一律で給与を引き下げる制度を廃止し、55歳以降も成果に応じた昇給を可能にします。 これにより、従来は50代前半で関連会社などへの出向に回ることが多かった人材が、銀行本体に残ってキャリアを続けやすくなるとみられます。

定年延長と並行して、若手社員の処遇改善にも踏み込みます。三菱UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行は、2026年度から大卒初任給を30万円に引き上げる方針で、初任給水準の底上げによって採用競争力を高めます。 若手を中心とした非管理職の賃金も、銀行で最大7%程度、信託銀行で最大8%程度引き上げるとし、春闘での実質賃上げ率は1割程度に達するとの見方も出ています。 年齢に関わらず能力や成果を重視して登用する姿勢を明確にしており、年功序列的な運用からの転換を進める狙いがあります。 少子高齢化が進む中、同社はシニアと若手の双方を重視する人的資本戦略によって、優秀な人材の確保・定着を図ろうとしています。

育休有給を4週間に拡大、同僚には最大10万円の「御礼金」

MUFGは働き方改革の一環として、育児と仕事の両立を支える福利厚生制度も拡充します。2026年度から、出産直後などに取得する育児休業の有給期間を、現在の2週間(10営業日)から4週間(20営業日)に倍増させる方針です。 育児初期に一定期間、収入を確保しながら家庭に専念できる環境を整えることで、男性を含む育休取得のハードルを下げる狙いがあります。 背景には、少子化対策や両立支援を重視する社会的な要請の高まりに加え、ライフイベントを経ても長期的に働き続けてもらうことで人材流出を防ぎたい思惑があります。

特徴的なのが、育休取得者の業務を支えた同僚への「御礼金」制度です。育休を1か月以上取得した社員のフォローをした同僚に対し、最大10万円を支給する仕組みで、2人で業務を分担した場合には1人あたり5万円を受け取れるとされています。 育休取得による一時的な人手不足を、職場全体でカバーするインセンティブを設けることで、「育休を取る側」と「支える側」の双方にメリットを持たせ、休業取得が当たり前の職場づくりにつなげる狙いです。 定年延長と若手賃上げ、そして育休制度の拡充を一体的に進める今回の施策は、日本の大企業における人事制度の見直しの流れを象徴する動きとして注目されています。

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