
赤沢亮正経済産業相は24日の閣議後記者会見で、緊迫する中東情勢を受けてホルムズ海峡を通らない代替ルートを活用した原油タンカーが、3月28日に日本へ初めて到着する見通しであることを明らかにしました。これはイランによる同海峡の事実上の封鎖状態が続く中、日本のエネルギー安全保障を維持するための極めて重要な一歩となります。
経済産業省の発表によると、今回到着するのは太陽石油が手配したタンカーです。この船舶は3月1日にサウジアラビア西部のヤンブー港で原油を積み込み、マレーシアでの積み替えを経て、愛媛県今治市にある同社の四国事業所に到着する予定です。ヤンブー港は紅海に面しており、ペルシャ湾の出口にあるホルムズ海峡を経由せずに輸出が可能な拠点として注目されています。
赤沢経産相は、28日の到着分に続き、4月5日にも別のタンカーが到着する予定であると言及しました。さらに、中東以外の地域からの調達分についても、4月25日に日本へ到着する見通しを示しています。政府は現在、サウジアラビアの東西パイプラインや、UAEのフジャイラ港といった代替ルートの活用を推進しており、民間の取引を原則としつつも、閣僚級の対話を通じて安定調達への働きかけを強めています。
石油連盟の木藤俊一会長(出光興産会長)は、23日の会見でこれらの代替ルートについて「有効な手段」であるとの認識を示しました。日本にとってサウジアラビアは第2位の原油供給国であり、扱い慣れた原油をホルムズ海峡を介さずに確保できる体制が整いつつあることは、国内のエネルギー市場にとって一定の安心材料になると期待されています。
地政学リスク残る紅海ルート 供給網の多角化が急務に
代替ルートの柱となるヤンブー港の重要性は急速に高まっています。サウジアラビアは、東部の主要油田から西部のヤンブー港まで全長1200キロメートルに及ぶパイプラインを運用しており、ホルムズ海峡封鎖を受けてその輸送量を大幅に増強しています。同港からの輸出量は、かつての日量140万バレル程度から、現在は超大型原油タンカー(VLCC)2隻分に相当する約400万バレルまで拡大しています。
しかし、この「紅海ルート」も決して安泰ではありません。ヤンブー港自体が3月19日に攻撃を受けたほか、イエメンのフーシ派によるバブ・エル・マンデブ海峡周辺での船舶攻撃リスクも依然として続いています。石油連盟の木藤会長は、こうした危険海域を航行するリスク許容については「各社の判断になる」と述べており、民間企業にとっては安全確保とコストのバランスが課題となっています。
日本がエネルギーの安定供給を確実にするためには、中東への依存度を下げるとともに、米国やアフリカといった中東以外の調達先を含めたサプライチェーンの多角化を一段と加速させる必要があります。










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