
東京地方裁判所は6日、三菱UFJ銀行の貸金庫から顧客資産を横領した事件で、元銀行員の山崎由香理被告(47)に対して懲役9年の実刑判決を下しました。検察側が求刑した12年を下回る量刑となりましたが、弁護側が求めていた5年の主張は退けられました。
起訴内容によると、山崎由香理被告は2023年3月から翌年10月にかけて、練馬支店と玉川支店で支店長代理や営業責任者の職位にあった期間、顧客6名の貸金庫から金塊を約26キロおよび現金約6,145万円を含む総額3億9,000万円相当の財産を不正取得しています。
法廷での尋問において、被告は起訴対象外の犯行も含めると約100名の顧客から17億円から18億円規模の資産を窃取していたことを認めました。
犯行動機について検察側は、外国為替証拠金取引(FX)による多額の欠損を埋め合わせる目的だったと断定。管理職としての立場を悪用した極めて悪質な犯行だと非難しました。
被告側はギャンブル行動障害の治療と更生を訴えましたが、裁判所は金融機関への信頼を根底から揺るがした重大性を考慮し厳しい判断を示しています。
ネット上では、「貸金庫から約3.9億円もの金品を盗むという事件は本当に衝撃」「これだけ悪いことをしてもうギャンブルはしないから減刑を希望している時点で反省していない」「刑罰、量刑の至急見直しをするべき」などの意見が寄せられています。
大手銀行で相次ぐ貸金庫不正 みずほでも数千万円の窃盗が発覚
三菱UFJ銀行の貸金庫窃盗事件に続き、みずほ銀行でも同様の不祥事が明らかになり、金融業界全体の管理体制が厳しく問われる事態となっています。
みずほ銀行は2月18日、同行職員が2019年に顧客2名の貸金庫から現金計数千万円を盗んでいた事実を公表しました。当該職員は既に懲戒解雇処分を受けていますが、発覚から約6年間にわたり事案を公表していませんでした。
同行は「顧客との関係性を考慮した判断」と説明していますが、情報開示の遅れに対する批判は避けられない状況です。被害を受けた顧客への補償措置は完了しており、金融庁への報告も行われています。
再発防止として鍵管理システムの全面見直しを実施しています。同行は「信用を第一とする金融機関として、深くおわび申し上げる」との声明を発表しました。
事態の深刻さを受け、みずほ銀行は今年1月から貸金庫契約の新規受付を原則中止する方針に転換しました。さらに、今後開設する店舗では貸金庫設備を原則設置しない運営方針を打ち出しています。










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