南鳥島沖レアアース 日米共同開発へ 首脳会談で議題に

南鳥島沖レアアース 日米共同開発へ 首脳会談で議題に

内閣府と海洋研究開発機構(JAMSTEC)は2026年2月、地球深部探査船「ちきゅう」を用いて水深約6000メートルの海底からレアアース(希土類)を含む泥の引き揚げに成功しました。

内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の一環で、水深6,000メートル規模での採鉱システム接続試験は世界初の試みです。2022年に水深約2,470メートルでの揚泥試験に成功しており、今回はその技術を大幅に深化させた重要なステップとなりました。

この試掘成功を受け、日米両政府が南鳥島沖のレアアース確保に向けた共同出資による開発事業の検討を進めていることが明らかになりました。3月19日に予定される日米首脳会談で共同開発を確認し、成果文書に盛り込む方向で調整が進んでいます。米国が資金面での協力を担い、採掘や加工の技術的優位性を持つ日本が開発を主導する案が浮上しています。

日本は現在、年間のレアアース需要の過半を輸入に依存し、その6〜7割を中国から調達している状況です。2026年2月24日には、中国商務省が三菱造船やJAXAなど日本の防衛・宇宙関連20社・団体を軍民両用品の輸出規制リストに追加しました。事実上の禁輸措置として、日本政府は強く抗議し撤回を求めています。

政府は経済安全保障推進法に基づき、2030年時点での国内永久磁石の需要確保を目標に掲げています。SIPでは2027年2月から1日当たり350トンの回収能力実証に向けた大規模採掘試験を計画しており、2028年3月までに経済性評価を取りまとめる方針です。

経済安全保障と環境への配慮を両立できるか

南鳥島沖レアアース開発には、コストと環境負荷の両面で課題も指摘されています。生産コストは中国の鉱山より高く、採算性の確保が大きな課題とされています。一方で、世界的にも希少な重希土類を国内供給できる意義は大きく、政府は経済安全保障上の対価として開発を推進する姿勢です。

技術面では、海底油田開発の技術を応用した深海採掘システムの確立に加え、大量の残泥処理が焦点です。南鳥島沖のレアアース泥には放射性物質をほぼ含まないため、他地域の鉱床に比べて環境負荷を抑えやすい可能性も指摘されています。

日米連携という新たな枠組みのもと、リサイクルの高度化や他国との資源協力といった複線的な戦略と組み合わせながら、日本が脱中国依存のサプライチェーンをどう構築するかが問われています。

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