
株式公開から半年余りで破綻したAI開発企業オルツ(8月上場廃止)の会計不正について、東京地検特捜部が刑事立件に向けた捜査を開始しました。経営陣による組織的な架空取引の疑いが強まり、金融商品取引法違反での訴追を視野に入れています。
独立調査委員会の報告書が明らかにした不正の全貌は衝撃的です。広告代理店4社へ計138億円、研究開発名目で2社へ16億円を支払い、その後販売委託先経由で137億円を売上として回収する循環構造を作り上げていました。
2021年から2024年までの累計で約119億円の架空計上が行われた計算になります。創業者の米倉千貴元社長が考案したこの仕組みは、他の幹部にも共有されていました。
取引先への働きかけも経営層が主導していたことが判明しており、組織ぐるみの犯行様態を呈しています。売上推移を見ると、2020年の5,500万円から翌年9億5,000万円、2022年26億円、2023年41億円と急拡大していましたが、その大半が虚構だったことになります。
証券取引等監視委員会は4月から並行調査を実施中で、特捜部との連携体制が構築されているとのことです。有価証券報告書虚偽記載の法定刑は10年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方で、法人には7億円以下の罰金が科される可能性があります。
ネット上では、「東京証券取引所もダメってことなのかな」「どう見ても金商法に抵触しまくったからな」「みんな頑張って働いて貯めたお金を投資しているのに粉飾はいけない」などの意見が寄せられています。
経営陣交代も投資家の怒り収まらず 市場の信頼回復は困難
事態収拾のため29日に開催された臨時株主総会では、不正関与者の排除が決定されました。9月3日の初回開催は定足数不足で流会しており、再招集での開催となっています。
日置友輔社長ら取締役2名の退任が承認され、浅沼達平経営企画部長ら3名が新任取締役として選ばれました。スキーム立案者の米倉千貴元社長は健康上の理由で欠席し、直接の説明責任を果たしていません。
被害を受けた投資家からは厳しい声が上がっています。横浜市の60代自営業者は約20万円の損失を被り、「ベンチャー企業全体に悪いイメージがついてしまい、許せない」と経営陣への強い批判を口にしました。
主力製品のAI議事録サービスは約8万4,000アカウントを獲得していましたが、実際の有料会員は5,170件に過ぎず、ビジネス基盤の脆弱性も明らかになっています。
この事件はベンチャー企業投資のリスクと、上場審査体制の課題を改めて浮き彫りにしました。市場の健全性維持に向けた制度見直しの議論が加速する可能性があります。








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