SNS依存でメタとグーグルに賠償命令 依存招く設計めぐりIT企業の責任認定

SNS依存でメタとグーグルに賠償命令 依存招く設計めぐりIT企業の責任認定

米カリフォルニア州ロサンゼルスの州地裁陪審団は3月25日、IT大手メタとグーグル傘下のユーチューブに責任があるとする評決を下しました。幼少期からSNSに依存し、うつ病など精神的に深刻な被害を負ったとして、カリフォルニア州在住の女性(20)が運営企業の過失を訴えた裁判です。

賠償額は懲罰的賠償を含む計600万ドル(約9億5000万円)で、インスタグラムを運営するメタが7割、ユーチューブを運営するグーグルが3割負担するとしています。

原告の女性は6歳でユーチューブを、9歳でインスタグラムを使い始めたといいます。絶え間ない通知や、際限なく投稿を見続けてしまう「無限スクロール」といった設計によって依存が深まり、うつ病や身体醜形障害、自殺念慮に苦しんだと主張。問題はユーザーが投稿する内容ではなく、サービスの構造そのものにあると訴えていました。

陪審は、中毒性の高いアルゴリズムやデザインが未成年の依存を助長したと認定しました。プラットフォーム側がその危険性を認識しながら十分に警告しなかった点も重く見ており、米メディアは「画期的な判断」と評価。IT企業の設計責任を正面から認めた先行事例として注目されています。

評決前日の24日には、ニューメキシコ州の陪審団がメタに対し、児童を性的搾取者から守らなかったとして約3億7500万ドルの賠償を命じる別の評決も下しており、IT大手への司法的圧力が相次いでいます。メタとグーグルはいずれも評決を不服として控訴する方針です。

若者のメンタルヘルスと今後の規制への影響

今回の評決は、SNSが若者の自己肯定感や不安、睡眠障害などのメンタルヘルスに与える影響をめぐり、企業の「設計責任」を問う先行事例となりました。米国ではSNS運営企業の責任を問う類似訴訟が数千件起きており、今回の評決はそれらに影響を与える可能性があります。

一部報道によると、2026年夏には全米の学区や保護者による統合訴訟も予定されており、巨大プラットフォームに「安全設計」を義務づける流れが強まっています。日本でも、2026年1月にこども家庭庁がSNS規制の必要性について議論する作業部会を設置しました。米国での司法判断は今後の制度設計を考えるうえで無視できない材料となりつつあります。

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