ロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平選手の元通訳である水原一平氏が、約24億5,000万円を不正に電子送金した銀行詐欺の疑いで訴追されたことが分かりました。11日に米国の連邦検察などが会見を開き、この事実が明らかになりました。
捜査当局によると、大谷翔平選手の銀行口座の連絡先が水原氏のものに変更されていたほか、水原一平氏が大谷翔平選手になりすまし、銀行との送金承認のやりとりをしていた記録が残っているとのことです。
米捜査当局は「この件で大谷選手は被害者だということだ」と会見で強調しました。大谷翔平選手がこの不正に関与していた証拠は見つかっておらず、水原一平氏が胴元との間で大谷翔平選手からの金銭盗難を認めるやりとりがあったことも明らかにされました。
ネット上では、「鳥肌が立ってくる位、悪質だと思う」「今わかってる送金額が24億ってだけでまだ増えるでしょう」「大谷選手が被害者であることが証明されて良かった」などの意見が寄せられています。
2024年1月までに約1万9,000回のギャンブル 総損失は約62億円
司法当局によると、水原一平氏は2021年11月から2024年1月にかけて、違法ブックメーカーが運営するギャンブルの巨額の借金を支払うために、大谷翔平選手の口座から無断で複数回にわたり送金を行っていました。その総額は1,600万ドル(約24億5,000万円)以上に上ります。
この背景には2018年、当時英語を話せなかった大谷翔平選手が、米アリゾナ州の銀行支店で口座を開設した際、水原一平氏が同行していた事実があります。大谷翔平選手は自らの給与をこの口座に預けていましたが、水原一平氏に管理権を与えたことは一度もありませんでした。
にも関わらず、水原一平氏は大谷翔平選手の「事実上のマネジャー」として、彼の信頼を利用し、財務関係に独自のアクセス権を持っていました。さらに、水原一平氏は2021年12月から2024年1月にかけて約1万9,000回に及ぶ賭けを行っており、その総損失は約4,070万ドル(約62億円)にも上ります。
大谷翔平選手は警察の聴取で、これらの電子送金に対する許可を一切否定しており、司法当局は「大谷氏は携帯電話を警察に提出した。そして警察は、水原氏の違法賭博行為や借金の支払いに関し、大谷氏が把握あるいは関与していた証拠は一切なかったと判断した」と結論付けました。