オンラインカジノ史上最大規模の賭博事件 アフィリエイト報酬目的で280億円賭け

国内のオンラインカジノ事件として前例のない規模の事件が発覚しました。警視庁は5月27日、海外のカジノサイトで継続的に賭博行為を行っていた福島県いわき市在住の会社員男性(38)を常習賭博の疑いで身柄を確保しました。
この男性が約3年間で投じた賭け金の総額は約280億円に達し、個人によるオンラインカジノ賭博としては国内史上最大の金額となっています。
男性は2022年8月から今年4月にかけて、オランダ領キュラソー政府の認可を受けた「ステークカジノ」というサイトを利用し、主にバカラゲームに約9,000万円を投資していました。
特徴的なのは、単なるギャンブラーではなく、サイトの宣伝活動を通じて収益を得るアフィリエイターとしても活動していた点です。
男性はSNSプラットフォームのX(旧:Twitter)上で「明鏡止水」というハンドルネームを使用し、カジノでの勝利体験を画像付きで投稿していました。これらの投稿にはカジノサイトへの誘導リンクが含まれており、新規ユーザーの獲得を狙った宣伝活動の一環でした。
この紹介活動により、男性は数十名分の紹介手数料として合計約700万円の報酬を受け取っていたとされます。しかし、カジノでの勝利金を元手にさらなる賭けを続けた結果、最終的な収支は数千万円の赤字となりました。
警察庁の調査では、このカジノサイトは16言語に対応し、2024年8月からの3ヶ月間だけで約2億2,000万回のアクセスを記録する大規模なものでした。
政府はオンラインカジノの拡散防止に向けて法規制を強化しており、現在審議中のギャンブル依存症対策基本法改正案では、カジノサイトへの誘導広告やSNSでの宣伝行為を法的に禁止する条項が盛り込まれています。
オンラインカジノの違法性と深刻なリスク
多くの人が誤解していますが、海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内からアクセスして賭博を行うことは明確な犯罪行為です。この事実は「有料版」「無料版」「無料ボーナス」といった利用形態に関係なく適用されます。
日本の刑法では、賭博を行った者に対して50万円以下の罰金または科料が科され、常習的に賭博を行った場合は3年以下の懲役という重い刑罰が待っています。
バカラ、スロット、スポーツベッティングなど、名称や内容を問わず、インターネット上での賭博行為は全て処罰対象です。
警察当局の取り締まりも年々強化されており、検挙者数は2022年の59人から2024年には279人へと急激に増加しています。特に注目すべきは、カジノサイトを宣伝するアフィリエイト活動も常習賭博幇助罪として処罰されることです。
軽い気持ちでの参加が人生を狂わせる可能性があるため、オンラインカジノには絶対に手を出さないことが重要です。