
米IT大手メタが、全従業員の20%以上に当たる大規模な人員削減を検討していることが明らかになりました。メタは2028年までにデータセンター建設など人工知能(AI)インフラの整備に総額6千億ドル(約96兆円)を投じる計画で、その原資を捻出する狙いから人員削減に踏み切る可能性があるとされています。 2025年12月31日時点の従業員数は約7万9千人で、このうち2割が削減された場合、約1万6千人規模が対象となる計算です。 実現すれば、2022年末から2023年初めにかけて実施した連続レイオフ以来となる大規模な組織再編となり、米IT業界全体に波紋が広がる可能性があります。
今回の計画は、生成AIなど急速に拡大する分野への攻めの投資と、社内の効率化を同時に進めようとする動きとみられます。 メタはすでに2022年11月に当時の従業員の約13%に相当する1万1千人を削減し、その約4カ月後にも1万人の追加削減を発表しており、ここ数年は「効率化」を掲げたリストラを繰り返してきました。 一方で、今回の報道について同社広報は「理論上のアプローチに関する憶測に基づく報道だ」とコメントしており、現時点で公式な決定事項とは位置付けていないとされています。 それでも、市場ではAI関連投資の負担増と人員削減が株価や他社の経営判断に与える影響を注視する動きが強まっています。
AI効率化と雇用への影響は
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はこれまでも、AI活用によって業務の進め方が大きく変わり、「以前は大人数を要していた業務が、才能ある1人で完結できるようになった」と効率化のメリットを強調してきました。 生成AIや自動化ツールを社内業務に広く組み込むことで、開発や運営に必要な人員を減らしつつ、生産性を維持・向上させることが可能だと説明しており、今回の人員削減計画もそうした戦略の延長線上に位置付けられます。 一方で、大規模テック企業による連続的なリストラは、AI時代における雇用の安定性やスキル転換の必要性をめぐる議論を世界的に加速させています。
米IT業界では、景気減速や金利上昇を背景にしたコスト削減に加え、AI投資の優先度が一段と高まっており、他社でも研究開発部門やクラウド関連インフラへの資金集中と人員再配置が進められています。 その一方で、AIの導入が一部の高度な人材への業務集中や格差拡大につながる懸念も指摘されています。 今回のメタの動きは、AIを軸にした企業経営が加速する中で、雇用や働き方をどう守り、どう変えていくのかという課題を改めて突きつける事例となりそうです。












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