海外マネーが押し上げる日本株、高市政権とAI関連に熱視線

海外マネーが押し上げる日本株、高市政権とAI関連に熱視線

海外投資家による日本株への資金流入が勢いを増している背景には、日本企業の成長期待と高市早苗政権への評価、そしてAI関連需要の高まりがあります。東京証券取引所などの統計では、2025年度の海外投資家の日本株買い越し額は10兆円規模とされ、過去20年以上で高水準となりました。これは「アベノミクス相場」期や小泉政権期の買い越し額を上回る水準で、日本株が再び世界の分散投資先として存在感を強めていることを示しています。海外勢の買いを後押ししている要因としては、コーポレートガバナンス改革の定着や、自社株買い拡大による株主還元の強化に加え、高市政権が掲げる成長投資路線への期待感が挙げられます。

なかでも注目されるのが、高市首相のもとでの政策運営への信頼感です。衆院選での自民党勝利を受け、高市政権が長期政権となるとの観測が強まるなか、「サナエノミクス」とも呼ばれる成長戦略が継続するとみる海外投資家は、日本株へのスタンスを強気に傾けています。市場では、安倍政権期と同様に海外マネーの買いが長期にわたって続く可能性を指摘する声もあり、「高市相場はまだ3合目」として、今後も買い増し余地があるとの見方が出ています。実際、2025年には日経平均株価が初めて5万円台に到達し、2026年も企業業績と政策期待を背景に高値圏での推移が見込まれています。

一方で、中東情勢の緊迫化や米国・イスラエルとイランを巡る地政学リスクの高まりは、世界株式市場全体のボラティリティ要因となっています。それでも、日本を有望な避難先、あるいは分散投資先とみる海外勢は多く、インフレ転換局面での金融セクターや、世界的なサプライチェーンに組み込まれた半導体関連など、テーマを絞った投資が目立ちます。海外投資家の日本株買いが一時的なブームで終わるのか、持続的なトレンドとなるかは、日本企業が構造改革と収益力の底上げを継続できるかどうかにかかっているという指摘も出ています。

AIと半導体が呼び込む新たな資金、問われる日本企業の持続的改革

海外投資家の視線は、マクロの成長期待に加えて、AI関連を軸とした特定セクターにも集まっています。AIの普及を支える半導体やデータセンター需要の拡大を背景に、日本や韓国などアジア企業はサプライチェーンの重要な一角を占めており、日本市場でも半導体や電子部品関連銘柄への物色が強まっています。メモリー関連企業などは、生成AI向けの需要拡大を追い風に業績と株価が大きく伸びた例もあり、海外勢がグローバルなメモリーメーカーと並べて日本企業を評価する動きが見られます。

また、AIブームを「半導体だけの相場」と見なさない海外運用機関も増えています。ニューバーガー・バーマンの日本株式運用責任者は、建設や電力関連など、AI開発に不可欠なインフラや設備、サービスを提供する企業を「AIツルハシ銘柄」と位置づけ、依然として割安感があり買い余地が大きいと指摘しています。AIの計算処理を支える電力インフラやデータセンター向け投資は世界的なテーマとなっており、日本でも電力・送配電・設備投資関連企業の中長期的な収益機会に注目が集まっています。

一方で、インフレと景気減速が同時進行するスタグフレーション懸念や、地政学リスクの高まりが現実化した場合、日本株も例外なく調整圧力を受ける可能性があり、海外投資家は企業のガバナンス改革や資本効率改善の進捗を見極めながら投資姿勢を調整するとみられます。こうしたなかで、日本株買いが一過性で終わらないためには、企業側が稼ぐ力と株主還元の両面で変革を持続できるかが問われているといえます。

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