南鳥島で核のごみ文献調査を容認へ 小笠原村長「国の責任で判断を」

南鳥島で核のごみ文献調査を容認へ 小笠原村長「国の責任で判断を」

原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(いわゆる核のごみ)の最終処分場選定を巡り、東京都小笠原村の渋谷正昭村長が、南鳥島を対象とした第1段階の「文献調査」を容認する意向を示しました。渋谷村長は13日午前、関係者に対し「調査実施の是非は国が主体的かつ責任をもって判断すべきだ」との考えを伝え、同日午後に開かれた村民向け説明会でも同様の姿勢を示しました。

文献調査は最終処分場選定プロセスの第1段階で、火山や断層、鉱物資源など地域特性に関する既存データや文献を収集・分析するもので、おおむね2年程度かけて実施されます。実施主体は原子力発電環境整備機構(NUMO)で、最終処分の方式としてはガラス固化した廃棄体を地下深部に埋設する「地層処分」が国の基本方針となっています。

南鳥島は日本の最東端に位置し、東京都心から約2000キロメートル、父島や母島からも約1200キロメートル離れた孤島で、民間人は居住しておらず島全体が国有地です。経済産業省は3月3日、小笠原村に対し南鳥島での文献調査の実施を正式に申し入れており、自治体側からの応募ではなく国主導で候補地に名乗りを上げたケースは小笠原村が初めてとされています。

文献調査が実施されれば、北海道寿都町と神恵内村、佐賀県玄海町に続き全国で4カ所目の文献調査地点となります。原発再稼働の動きが広がる中で、政府は最終処分地選定の加速を図っており、赤沢亮正経済産業相は1月、全都道府県知事に対して協力を文書で呼びかけるなど、調査地点の拡大を進めています。

村長は次段階への同意を留保 「他地域への申し入れを待つ」

渋谷村長は、南鳥島での文献調査容認にあたり、調査の性格や今後のプロセスについても慎重な姿勢を示しています。 文献調査の次のステップである「概要調査」では、ボーリング調査など現地での地質調査が行われることになり、この段階へ進むには村長に加えて都道府県知事の同意が必要です。

渋谷村長は13日の説明会で、北海道寿都町や神恵内村、佐賀県玄海町など先行する3町村や小笠原村以外の地域にも申し入れが行われるべきだと指摘し、「他の自治体への申し入れがされるまでは概要調査について意見表明しない」と述べ、次段階への判断は保留する考えを明らかにしました。

東京都の小池百合子知事は3月の会見で、南鳥島での文献調査申し入れについて「地元の判断がどうなるのか注視している」とした上で、高レベル放射性廃棄物の処分問題は「将来世代への先送りができない喫緊の課題だ」と述べています。北海道では、2020年11月から寿都町と神恵内村で文献調査が始まり、2024年11月にはNUMOが両町村の文献調査報告書を公表するなど、選定プロセスは既に次の局面に進みつつあります。

処分場選定は、文献調査、概要調査、精密調査の3段階を経て進められ、全体で20年程度を要するとされています。 南鳥島での文献調査容認は、国主導の新たな選定モデルともいえる一方、僻地かつ無人島での「地球の視点」からの議論が、国内の合意形成や公平性の観点からどのような影響を及ぼすかが今後の焦点となります。

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