Amazonの音声AI「アレクサ」、ハリス副大統領に有利な回答をする仕様に 動作不具合か
米国の大統領選が近づく中、IT大手Amazonの音声AI「アレクサ」をめぐる問題が浮上しました。民主党のハリス副大統領に有利な回答をする仕様になっていたことが判明したのです。
問題の回答は、ハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領に関するものです。「なぜハリスに投票すべきか」との問いには、彼女の実績を称賛する回答が返ってきた一方、トランプ氏については投票を推奨しない内容だったとされます。
トランプ陣営は「巨大IT企業による選挙干渉だ」と猛反発。Amazon側は、アレクサの動作が「不具合であり、すぐに解決された」と説明しつつ、候補者の優劣に関する質問には答えない仕様に変更したといいます。
そもそも今回の選挙戦では、AIによる偽情報が大きな問題となっています。バイデン大統領の声に似せた偽音声で投票ボイコットを呼びかける事件が発生するなど、有権者の判断を狂わせかねない事態に発展しています。
AIは確かに便利な技術ですが、その公平性や信頼性については、まだまだ課題が残されているようです。ネット上では、「なぜかこういう不具合は民主党優位になることしかない」「AIは恣意的に情報を偏向して回答することが明らかになった」「現状、AIにはあまり期待しない方がいい」などの意見が寄せられています。
ハリス氏とトランプ氏によるテレビ討論会 支持率は拮抗
11月の米大統領選に向け、ハリス副大統領とトランプ前大統領によるテレビ討論会が激戦州ペンシルベニア州で行われました。複数の米メディアは、「ハリス氏がトランプ氏を防戦にまわらせた」と報じています。
討論会では、経済政策が最初の論点となりました。ハリス氏は、中間層と労働者の地位向上を訴える一方で、トランプ氏の政策が富裕層と大企業に偏っていると批判。トランプ氏は、現政権下の国内インフレを「米国史上最悪」と非難し、自身の手腕を誇示しました。
ハリス氏は、3年前のトランプ支持者による議会乱入事件に言及しつつ、トランプ氏の起訴を指摘しています。一方、トランプ氏は国境管理の甘さを攻撃し、「犯罪者やテロリストの入国を許した」とハリス氏の責任を追及しました。
互いの主張を「うそだ」と批判し合う場面も見られました。投票日が迫る中、世論調査ではハリス氏とトランプ氏の支持率が拮抗しています。
討論会を通じ、経済政策や国境管理を巡る両陣営の対立点が浮き彫りになりました。米国民は、ハリス氏とトランプ氏のどちらが国の舵取りに適任なのか、見極めを迫られることになりそうです。