
ユニセフの主な活動分野として「HIV/エイズ」があげられます。「エイズのない世代」の実現を目指すとして、ユニセフはパートナーとともに、すべての子供たちをHIV/エイズの脅威から守るため、世界各地で取り組みを行っています。
ユニセスが目指す「エイズのない世代」とは、HIVに感染せずに誕生し、感染しないまま20歳を迎える世代のことです。SDGs3.3でも、「2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する」というように、HIV/エイズへの対処が注目されています。
世界中がHIV/エイズの治療ケアや、感染予防に関する研究・取り組みを進めていることもあり、エイズ関連の死亡数は年々減少しつつあります。ピークである2005年の年間死亡数は190万人でしたが、2019年時点で69万人まで減少しました。
その一方、HIV感染者の年齢別グループのなかで、青少年と若者(10〜24歳)が占める割合は増加傾向にあります。2019年、新たにHIVに感染した10〜24歳は46万人であり、そのうち10〜19歳は17万人にまでのぼりました。この課題を解決するため、学校やコミュニティでHIV/エイズに関する啓発活動などが実施されています。
WHO(世界保健機関)は12月1日を「世界エイズデー」に制定
1988年にWHO(世界保健機関)は、12月1日を世界エイズデーに制定しました。制定した目的は、世界レベルでのエイズのまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消だとされています。
この世界エイズデーが制定されたことにより、毎年12月1日を中心に世界各国でエイズに関する啓発活動が行われています。世界的な有名企業であるAppleも、12月1日の世界エイズデーに合わせて、同社のエイズ/HIV撲滅に対する取り組みを公開しました。
また、世界エイズデーキャンペーンをはじめ、HIV/エイズに関する運動の世界的なシンボルとして「レッドリボン(赤いリボン)」があります。このレッドリボンは持ち主がエイズに関して偏見を持っていない、エイズとともに生きる人々を差別しないというメッセージです。
2019年時点で、HIVとともに生きる人は世界全体で推定3,800万人いるとされており、多くの人が悩みを抱えながら生きています。ユニセフは感染者の支援や感染対策を積極的に行っており、その活動が世界中の人々から称賛されています。