ジェフ・ベゾス氏設立のブルーオリジン、大型ロケット「ニューグレン」の打ち上げに成功

ジェフ・ベゾス氏が設立した宇宙企業ブルーオリジンは1月16日、大型ロケット「ニューグレン」の打ち上げに成功しました。
フロリダ州ケープカナベラルの宇宙基地から打ち上げられたロケットは、約13分後に地球周回軌道への到達を確認。同社にとって、スペースXが先行する大型ロケット打ち上げ市場への参入に向けた重要な一歩となりました。
打ち上げられたロケットには、宇宙輸送プラットフォームのプロトタイプ「Blue Ring Pathfinder(ブルーリング・パスファインダー)」が搭載され、無事に目標の軌道に到達しましたが、再利用可能な1段目のブースターの回収には失敗しています。
ジェフ・ベゾス氏は、宇宙開発の分野では複数の企業が共存し、それぞれが成功を収められると考えています。ブルーオリジンとライバルであるスペースXの両社が、宇宙ビジネスで重要な役割を果たすことになるでしょう。
ブルーオリジンは、これまで小型ロケット「ニューシェパード」を用いた宇宙事業を展開してきました。2021年には、ジェフ・ベゾス氏自らが搭乗し、宇宙空間まで到達するサブオービタル飛行を成功させています。
一方、大型ロケット「ニューグレン」の開発は遅れに遅れ、当初予定されていた2024年10月のNASAの火星探査ミッション「ESCAPADE」への参加は叶いませんでした。しかし今回、ニューグレンの打ち上げに成功したことで、ブルーオリジンは宇宙ビジネスにおける本格的なプレーヤーとして認知されることになります。
ブルーオリジンのニューグレンとは?再利用性と多用途性
ニューグレンは、米国のブルーオリジンが開発した次世代の宇宙輸送システムです。再利用可能なロケットとして設計されており、地球低軌道から月までの輸送を目的としています。
ニューグレンの最大の特徴は、再利用性と多用途性にあります。1段目のロケットを繰り返し使用することで、打ち上げコストを大幅に削減し、宇宙輸送のハードルを下げることが可能です。
また、大型の機体に大量の燃料を搭載することで、多様なミッションに対応できる高い能力を持っています。さらに、独自開発されたBE-4エンジンは、クリーンで効率的な燃料を使用し、環境負荷の低減にも貢献します。
ブルーオリジンはニューグレンを軸として、商業宇宙輸送市場での存在感を高めようとしています。低コストで信頼性の高い打ち上げサービスを提供することにより、衛星打ち上げや宇宙探査の新たな需要を開拓していくことが期待されています。