トヨタグループの不正問題、豊田章男会長が会見で謝罪 「信頼回復には時間がかかる」

トヨタ自動車は30日、名古屋市内でトヨタグループのビジョンに関する説明会を開催しました。この説明会で豊田章男会長は、グループ内で相次いでいる不正行為に対して、「ご迷惑、ご心配をおかけしていることを深くおわび申し上げる」と謝罪の言葉を述べました。

また、豊田章男会長は成長過程で「大切にすべき価値観や物事の優先順位を見失う状況が発生してきた」と指摘し、自身がグループの変革をリードすることを強調しています。さらに、豊田自動織機やダイハツ工業などで発生した不正に触れ、グループ全体の企業統治に対する注目を認めました。

豊田章男会長は「信頼回復には時間がかかる」と述べ、トヨタの過去のリコール問題を例に挙げて、信頼構築に向けた取り組みを強調しています。2024年6月に予定されているグループ17社の株主総会への出席意向も明らかにし、株主およびステークホルダーの立場からグループを見ると語りました。

さらに、グループ各社に「マスタードライバー」の人材を選出するよう求め、トヨタグループの新しいビジョン「次の道を発明しよう」をグループ会社や現場のリーダーなどと共有したと説明。このビジョンは本来、創始者の豊田佐吉氏の誕生日である2月14日に発表予定でしたが、不正問題を受けて前倒しでの発表となりました。

豊田自動織機の不正エンジン問題の原因 10車種が出荷停止

トヨタ自動車は30日、2023年の世界販売台数が1,123万台の記録を達成し、4年連続世界一になったことを発表しました。しかし、豊田自動織機の不正エンジン問題により、ランドクルーザーやハイエースなどの10車種が出荷停止となっています。

この不正エンジン問題の原因について、豊田自動織機の特別調査委員会は「受託体質というものがあります。古くからトヨタ自動車から委託を受けてエンジンを開発、生産する事業が大部分、中心となっている」と明らかにしました。また、豊田自動織機の伊藤浩一社長も「トヨタ自動車とのコミュニケーションが不足しており…」と説明しています。

グループ全体の問題が指摘される中、豊田章男会長は「トヨタグループに私自身が責任者となろうと。そう表明することによって、現場が自ら考え、動くことができる企業風土の構築に一歩進み始めたいなと」と今後の方針を発表しました。

ネット上では、「これってそもそもトヨタ側の問題なんじゃないのかな」「株総に出ても不正はなくなりません」「トヨタのプレッシャーは半端じゃないからね、関係者は、不正するしか逃げ道がなかったんだろう」などの意見が寄せられています。

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. 米テスラの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏は23日、投資家向けの電話会議で開発中のヒ…
  2. お笑いコンビ「クロスバー直撃」の渡邊センス氏は1日、名誉を傷つけられたとして講談社に対し損害賠償を求…
  3. JR東海は17日、2026年から東海道新幹線の一部車両に個室席を設置すると発表しました。多様化する乗…

おすすめ記事

  1. 2024-3-7

    伊藤忠商事がビッグモーターを買収 「ビックリモーター」など新社名の予想始まる

    伊藤忠商事がビッグモーターの買収に向けて、企業再生ファンドと手を組んだ契約を締結したことが明らかにな…
  2. 「発達障害の子どもたち 私立の小・中学校は適応できるのか?」ライター:秋谷進(東京西徳洲会病院小児医療センター)

    2024-3-24

    発達障害の子どもたち 私立の小・中学校は適応できるのか?

    発達障害は脳機能の発達の遅れと考えられ、マイペース、独特、天然などは脳の個性と考えられています。子ど…
  3. 2023-10-31

    「頂き女子りりちゃん」が3度目の逮捕 だまし取る手口をマニュアル化 被害総額は2億円以上

    「頂き女子りりちゃん」と名乗り、恋愛感情を背景に多くの男性から現金をだまし取ったとして渡辺真衣容疑者…

【募集中】コンテスト

第5回ライティングコンテスト(東京報道新聞)

【結果】コンテスト

東京報道新聞第4回ライティングコンテスト (結果発表)

インタビュー

  1. ゴミ収集車の死亡事故による呼び捨てでの実名報道で訴訟を起こした品野隆史氏
    現在メディアでは、事件に関して疑いのある人の実名報道では「容疑者」を呼称でつけていますが、1989年…
  2. 青森県で協力雇用主として出所者の社会復帰を目指して雇用する企業「有限会社松竹梅造園」代表の渡辺精一様
    協力雇用主とは、犯罪や非行をした者の自立や社会復帰に向けて事情を理解したうえで就職先として受け入れる…
  3. 青森刑務所で受刑者に講話を行った受刑者等専用の求人誌「Chance!!」編集長・三宅晶子氏
    三宅晶子氏(株式会社ヒューマン・コメディの代表取締役)は、日本初の受刑者等専用求人誌「Chance!…
ページ上部へ戻る