法務省、省令案を改正する見通し 2024年度中にも会社代表者の住所非公開が可能に

法務省は、経営者や起業家のプライバシー保護とビジネスの新規参入を促進するため、2024年度中に重要な変更を実施する予定です。株式会社の代表者が希望する場合、自宅住所を登記時に非公開にすることが可能になります。これにより、会社設立や代表者就任時の住所公表が必須でなくなります。

この変更に向け、2023年内にパブリックコメント(意見公募)が開始され、省令の「商業登記規則」の改正が予定されています。現在、法務局の窓口やインターネットで登記資料が閲覧可能ですが、ネットの普及により誰でも簡単に閲覧できるようになったことから、ストーカーや脅迫行為に対する心配が高まっているのです。

この制度変更の背景には、経団連や経済同友会、上場企業などから、代表者の個人住所を一般に公開する現状の見直しを求める声があります。また、新興企業やフリーランスの業界団体は5月、非公開化を自民党に提案しています。「インターネット上に住所がさらされる可能性があり、法人化をためらうケースが発生している」と訴えました。

一方で日本弁護士連合会などからは、悪質商法による被害者が会社を訴えられるように、代表者の住所公開の必要性を指摘する意見も存在します。このバランスを取るための方策として、今回の改正が検討されています。

法務省は省令案を改正|住所非公開でも訴訟が進む仕組み

民事訴訟において、訴状は原則として会社の本社住所に送付されますが、届かない場合は代表者の住所へ送付すると定められています。この背景には、経営者が隠れて訴状の受取を避ける事例や、本社の実際の住所と登記上の住所が一致しておらず、訴状を送付できない場合があることが挙げられます。

これに対処するため、法務省は省令案を改正する見通しです。この案では、住所が非公開であっても訴訟手続きが妨げられないような仕組みを盛り込み、本社へ訴状が確実に届くことを代表者に証明してもらいます。

2022年の省令改正案では、インターネット上での住所非公開化と、法務局での紙による閲覧の維持が提案されました。しかし、パブリックコメントでは、紙からデータベースを構築する業者の出現について、反対意見があがりました。また、政府内では「紙で閲覧できる情報をネットで取得できないのは問題だ」という指摘も見られています。

これらの反応を踏まえて、法務省は住所非公開化に際して、訴訟手続きの確実性を保つための措置を検討している状況です。

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