
インターネット通販業界における配送競争が新たな段階に突入しています。アマゾンジャパンが7月1日に発表した物流網拡充計画により、2025年内に日本全国での翌日配送実現という野心的な目標に向けた具体的な道筋が示されました。
同社は今回、最終配送の起点となる拠点を岡山、千葉、福岡、石川、北海道、東京の6都道府県に新規開設することを明らかにしました。
さらに、商品の入荷から最終的な配送まで一貫して処理可能な統合型施設を年内に16ヶ所で運用開始する予定です。この新体制により、午後1時までの注文に対して当日夜間での配送が数万商品で可能になります。
また、午後11時59分までの注文を翌日に届ける配送オプションを2025年中に全国へ段階的に展開する計画です。
ネット上では、「Amazonは配送早くするより、梱包の質を上げてほしい」「運ぶ人がいないのに拠点増やしても改善しないでしょ」「配送ありがたいけど、配送業者大変すぎない?」などの意見が寄せられています。
生成AI導入で作業効率が10%向上 名古屋に西日本最大拠点
技術面での革新も注目されます。同社が世界300ヶ所以上の拠点で100万台規模で導入している「アマゾンロボティクス」システムに、新開発の生成AI「ディープフリート」を組み込むことで、作業効率を10%向上させるとのことです。
開発子会社の技術責任者であるタイ・ブレイディ氏は、記者会見で「サービスにかかるコストを削減し、顧客からの信頼性も向上できる」と技術への期待を表明しました。
また、環境配慮の取り組みも進展しています。8月に名古屋市で稼働予定の新施設は、三菱地所による設計で延べ床面積12万5,000平方メートルという西日本最大規模となります。
この施設は、三菱地所が開発した「ロジクロス名古屋みなと」をAmazon専用仕様として設計したもので、商品保管容量は約137万立方フィート(約3万8,800立方メートル)という巨大な規模を誇ります。
壁面への太陽光発電設備設置により5,500キロワットの発電容量を確保し、これは米国外で最大の規模です。
ジャスパー・チャン社長は、日本参入25周年を迎えた節目に「最新技術でネットワークを築いてきた。今後もより良い暮らしに貢献できるよう取り組む」とコメントしています。