
楽天証券は2025年11月20日、広島大学大学院の角谷快彦教授との共同研究による「行動ファイナンス研究レポート2025年版」を公表しました。この調査は2025年1月15日から1月29日にかけて実施され、楽天証券の顧客を対象にインターネットを通じて行われました。回答者数は23万人を超え、国内証券会社としては初めてとなる大規模な調査となりました。
調査の目的は、個人の心理的な特性や金融リテラシーが実際の投資行動とどのような関連があるかを明らかにすることです。特に注目されたのは、相場急落時の「パニック売り」と呼ばれる投資行動との関係性でした。パニック売りとは、株価が急激に下落した際に恐怖心から慌てて保有する株式や投資信託を売却してしまう行為を指します。この行動は長期的な資産形成において大きな障害となることが知られています。
調査の結果、金融知識の不足や日々の投資・家計行動における長期性・合理性の欠如、衝動的な性格などが相場急落時のパニック売りの要因となることが判明しました。一方で、金融知識を高め、日々の投資・家計行動において長期性・合理性を意識することで、衝動的な性格が低減することも明らかになりました。
年代別の分析では、60代までは年齢が高くなるほど金融知識スコアも高くなる傾向が見られました。また、投資対象の種類によっても投資家の心理は異なることが分かりました。相場下落時にどの程度の損失まで許容できるかについて、投資信託の方が個別株式よりも損失の許容度が高い傾向が確認されました。
この調査は2024年に開始された新NISA制度をきっかけに、多くの一般消費者が資産形成を始めた状況を背景に実施されました。2024年は世界各国で金利や物価、雇用、賃金を取り巻く経済環境が転換期を迎え、株式市場で大きな相場急変が複数回発生しました。こうした不透明な投資環境が続く中で、投資家がどのように行動するかを科学的に分析することの重要性が高まっています。
金融教育と制度設計への貢献に期待
楽天証券は今回の調査結果を広く公表することで、個人に対する大規模な定点データの蓄積による学術的な貢献を目指しています。また、資産運用に関する金融教育の必要性や各種制度設計の改善について、業界内外で活用されることを期待しています。
実際に資産形成や投資を行う個人にとっても、この調査結果は重要な意味を持ちます。自身の投資行動の特徴を把握し、家計の健全化や投資のあり方を見直すことで、お金に左右されない生き方について考えるきっかけとなるでしょう。
楽天証券は今後も同様の規模の調査を毎年実施し、定点観測した結果を年次で公表していく予定です。継続的なデータの蓄積により、投資家の行動パターンや金融リテラシーの変化を長期的に追跡することが可能になります。これにより、より効果的な金融教育プログラムの開発や、投資家保護のための制度改善につながることが期待されています。



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