
2025年11月30日(日)、大阪拘置所で6年ぶりとなる地域交流イベント「大拘フェスタ」が盛大に開催されました。
今回の大拘フェスタは、約15年という長きにわたり進められてきた新庁舎の完成を記念したものです。一般の方々向けのお披露目を兼ねており、地域交流的にも極めて歴史的な意味合いを持つ開催でした。
<目次>
名球会・福本豊氏など多数のゲストがステージに登場

大阪拘置所にて開催された「大拘フェスタ」は、午前10時の開場前に300人を超える長蛇の列が見られました。
高倉中学校吹奏楽部の力強くも華やかな演奏とともにスタート。フレッシュなサウンドがオープニングを飾り、来場者の期待感を高めました。

力強いファンファーレで幕を開けたステージは、大阪プロレス代表・ゼウス氏の熱いトークショーで一気にヒートアップ。その熱狂を引き継ぐかのように、人気アイドルグループ「ChanceMovement(シャンス・ムーブメント)」と「ParaMilia(パラミリア)」が華やかなステージを披露し、会場の熱気は最高潮に達しました。
午後に入ると、シンガーソングライター・秋人氏が、力強い歌声と温かいメッセージで観客を魅了しました。続いて、“世界の盗塁王”として知られる名球会メンバーの福本豊氏が登場。軽快なトークで会場を盛り上げました。オカリナ演奏やゴスペルの歌唱も披露されるなど、ステージは終日にぎわいを見せ、熱心なファンや来場者で活気にあふれていました。
京都・奈良など関西の刑務所作業製品が展示

大阪拘置所は主に刑事事件における処分が確定していない「未決拘禁者」を収容する施設です。一部受刑者も収容していますが、作業の種類や時間、目的が刑務所とは異なるため販売を目的とした刑務所作業製品の製造は行っていません。
今回の大拘フェスタでは、近隣の京都・神戸・和歌山の各刑務所や、刑務所作業製品の販売を手がける企業が出店していました。各刑務所の収容者が日々の作業で制作した製品がずらりと並んでおり、多くの来場者が高品質で精巧な家具や工芸品、日用品などを購入する様子が見られました。
京都刑務所のブースでは、木工品や手織製品など、京都ならではの製造品に限定して販売しているとのこと。また、女性刑務所である和歌山刑務所のブースでは、丁寧な縫製によるエプロンなどを販売するほか、全国で人気の横須賀刑務所のブルースティックなども取り扱っていました。

都島区更生保護女性会や都島社会福祉協議会など、地域に根ざした福祉関連団体もブースを出展していました。
「今回は久しぶりのイベントの開催に参加できてうれしい。地域の方々に喜んでいただきたいです。」
更生保護女性会のスタッフがそう語る手元には、立派な白菜などの野菜がずらりと並んでいました。その思いに応えるように、多くの来場者が商品を買い求めていました。
一方、子どもたちの楽しげな声が響いていたのは、都島区社会福祉協議会のブース。大阪拘置所のお披露目会に合わせて、子ども向けの缶バッジ制作を企画しました。「子どもたちに喜んでもらえるものを考えました」という言葉通り、会場には笑顔の輪が広がっていました。
大拘パンや大拘弁当を求める長蛇の列も

この日、施設の見学やイベント企画と並んで来場者の注目を集めたのが、飲食物の販売コーナーです。大阪拘置所内で実際に提供されている「大拘パン(100円)」と「大拘弁当(600円)」は、いずれも手ごろな価格で販売され、開始から約1時間で完売するほどの盛況ぶりでした。
大拘パンを製造している株式会社エームサービスは、他にもヘモグロビンの数値などを測定できる健康ブースも出展。同社のスタッフは「今回のイベントをきっかけに、拘置所内の食事や健康を考えるサービスがあることを知っていただけたら」と展望を語っていました。

イベント広場の一角では、警察署の車両や消防車両、さらには自衛隊車両といった普段は間近で見ることのできない「働く車」の展示が行われ、家族連れが記念撮影を楽しんでいました。
「ちびっ子刑務官制服体験」では小さな制服に身を包んだ子どもたちが、誇らしげにポーズを取る姿も。愛らしい姿をカメラに収めようと、多くの家族が列を作っていました。株式会社きんでんや日本生命京橋支社など、地域に密着した多くの民間企業も水鉄砲コーナーやミニゲームコーナーを出店し、いずれも大いににぎわっていました。
大阪拘置所の新収容棟工事を手掛けた竹中工務店は、左官工事の体験ブースや、ボストンダイナミクス社の四足歩行ロボット「SpotMini(スポットミニ)」の展示を行いました。こちらにも多くの子どもたちが集まり、活気にあふれていました。
圧倒的な人気!新施設のお披露目会

イベントの目玉である新しい施設「新収容棟」の見学会。ツアーでは内部写真撮影は不可でしたが、被収容者が実際に生活する部屋や入浴施設など、普段は目にすることのない場所が一般開放されていました。
大阪拘置所の新収容棟は老朽化を機に2010年から工事を開始し、15年にわたる工事の結果、完成しました。最大約2,000名が収容できる規模となっており、地域の方々からも高い注目を集めている施設です。
当日は予想を大きく超える参加者が列を作ったため、当初予定よりも早く締め切る事態に。刑務官が、一般参加者からの質問に気さくに応じる様子も見られ、施設に対する市民の理解を深める貴重な機会となっていました。

大拘フェスタのもう一つの目玉は、防災訓練の一環として行われた、拘置所職員による「食」のおもてなしです。この日、会場では刑務官が手作りした温かい「おしるこ」400食と「豚汁」750食が、無料でふるまわれました。
晩秋の冷え込む屋外で提供される温かいおしるこや豚汁は、来場者に大好評。ひと口食べた来場者からは「体が温まる」「優しい味で美味しい」と笑顔がこぼれ、その評判は瞬く間に広まっていました。
用意された合計1,150食の「温かいおもてなし」は、大盛況のうちに午前中の早い時間帯で完売。長蛇の列が絶えず、配膳を担当していた刑務官は「こんなに喜んでいただけるとは思いませんでした。また来年も開催できたら」と、うれしそうに話していました。
「開かれた施設」を目指す大阪拘置所

大拘フェスタは、6年間の中断期間を経て、さらに15年にわたる新収容棟工事を乗り越え、見事な成功を収めました。来場者数は、当初の予想を大きく上回る3倍以上に達しました。刑事施設が地域社会と協調し、開かれた存在となることへの期待の大きさを、あらためて感じられるイベントでした。
この日、拘置所は警察・消防・自衛隊に加え、地元企業や市民団体と連携し、家族の笑顔があふれる祭典を実現しました。地域と刑事施設のあいだに、新たな信頼と共生の芽が確かにまかれた一日だったと言えるでしょう。
大阪拘置所が、今後も再犯防止と社会の安全に貢献する「開かれた施設」として、地域とともに歩んでいくことを強く期待したいです。
大阪拘置所の基本情報
最寄駅は、大阪メトロ谷町線「都島駅」。淀川沿いに沿って徒歩約15分。
所在地
〒534-8585 大阪府大阪市都島区友渕町1-2-5
https://maps.app.goo.gl/oDxniirsAY3kiuci8
交通手段
● 大阪メトロ谷町線「都島駅」徒歩15分
● JR大阪環状線駅「桜ノ宮駅」徒歩20分
TEL:06(6921)0371
FAX:06(6926)2062










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