
米オープンAIは16日、対話型AI「ChatGPT」のサービス内で広告の表示を始めると発表しました。無料版の利用者と、新設した月額8ドル(日本では約1500円)の低価格プラン「Go」の利用者を対象に、今後数週間のうちに米国で試験導入します。巨額の開発投資で大幅な赤字となっている同社にとって、収益改善につなげる重要な一手となります。
広告は、ChatGPTからの回答の下部に会話内容に関連する製品やサービスとして表示されます。広告表示枠は、AIによる質問への回答と明確に分け、回答内容には広告を含めません。また、ユーザーとの会話内容は広告主に共有されることはなく、ユーザーデータが広告主に販売されることもないとしています。
月額20ドルの「Plus」や同200ドルの「Pro」、企業向けのChatGPTなど既存の有料プランには広告を取り入れません。ChatGPTは世界の週間利用者数が8億人以上に増えましたが、9割強が無料版を使用しています。広告の開始により、大半を占める無料ユーザーの収益化を目指します。
収入をサブスクリプション(定額課金)に依存してきたオープンAIにとって、ビジネスモデルの転換点となります。SNSや動画配信といったネットサービスでは、広告を主力の収益源に据え、広告を見たくない利用者に有料会員への移行を促す課金モデルがすでに広がっています。生成AIサービスはこれまで普及を優先し、無料でも広告なしで試すことができましたが、サーバーなどの運用コストが高いことから、今後は広告導入が広がる見通しです。
サム・アルトマン最高経営責任者はX(旧ツイッター)の投稿で「AIをたくさん使いたいが、料金を支払いたくないという人が多いため、このビジネスモデルが成立すると期待している」と述べました。ただし、アルトマン氏はこれまでネット広告の弊害を指摘し、ChatGPTへの導入に慎重姿勢を示してきた経緯があります。
オープンAIはAIの開発費が巨額に膨らみ、投資回収のために収益源を広げることが急務となっています。同社は今後8年間で、AI半導体やクラウドの調達に1兆4000億ドルを投じる計画を表明済みです。事業成長に加え、新規株式公開も視野に外部投資家から資金調達を進める方針ですが、費用の急増を賄うハードルは高くなっています。
広告導入で商業主義への転換加速か
広告導入はオープンAIの商業主義への転換を象徴するものとなります。広告の展開により、研究目的のNPOとして設立したオープンAIは、グーグルのようなテック企業にさらに近づくことになります。
現在のオープンAIはメタ出身の社員を増やしており、ChatGPTなどの製品部門をSNSのフェイスブックや食品宅配のインスタカートで広告事業を拡大したフィジー・シモ氏が率いています。シモ氏はかつてメタでアプリ部門のトップを務め、その後インスタカートでCEOとして広告事業を大幅に成長させた実績を持ちます。
一方で、利用者のデータ保護や信頼性の確保が課題となります。米グーグルや米メタは消費者の関心に合わせた「ターゲティング広告」で莫大な収益を上げる一方、プライバシー侵害を巡り批判を受けてきました。対話型AIとは文章でやりとりするため、従来型のキーワード検索やSNSと比べても利用者の個人情報が多く集まる可能性があり、データの適切な管理が求められます。









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