
イラン情勢の緊迫化に伴い、中東の要衝ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続くなか、紅海入り口のバブ・エル・マンデブ海峡まで封鎖される「二重封鎖」リスクが現実味を帯びています。 両海峡は湾岸諸国から世界各地へ向かう原油・石油製品輸送の大動脈であり、同時に機能不全に陥れば、世界のエネルギー供給網にかつてない混乱をもたらす可能性があります。世界有数の産油国であるサウジアラビアやアラブ首長国連邦の原油の多くはホルムズ海峡経由で輸出されており、日本も原油輸入の約9割超を中東に依存してきたため、供給途絶への警戒が強まっています。
ホルムズ海峡の封鎖を受け、サウジアラビアなどは東部油田から西岸ヤンブー港へ原油を送る約1200キロメートルのパイプラインを活用し、紅海経由の代替ルートに切り替えています。ヤンブー港で積み込まれた原油はバブ・エル・マンデブ海峡を通過してアジア各国へ輸出されており、日本向けにはホルムズ海峡を通らない中東産原油のタンカーが3月28日に愛媛県今治市の製油所沖に到着、実際に代替ルートの運用が始まっています。 一方で、イエメンの親イラン武装組織フーシ派は紅海やバブ・エル・マンデブ海峡を「封鎖という圧力の手段」と位置づけ、必要なら通行料徴収も検討すると発言しており、紅海ルート自体が新たな不安定要因になっています。
バブ・エル・マンデブ海峡は紅海南端の狭窄部で、スエズ運河航路の関門として世界の海上原油輸送量の1割超が通過するとされる重要な海峡です。 ここで航行が妨げられれば、スエズ運河経由ルートは実質的に機能を失い、多くのタンカーやコンテナ船がアフリカ大陸南端の喜望峰を迂回せざるを得なくなります。迂回によって航行日数は数週間単位で延び、保険料や燃料費の増加を通じて輸送コストが急騰することが懸念されています。
実際、フーシ派は2023年以降、紅海で商船攻撃や拿捕を繰り返し、日本郵船運航の貨物船「ギャラクシー・リーダー」号の乗組員が約1年2カ月ぶりに解放された事例も報じられました。 こうした状況から、多くの海運会社が紅海航路の利用を見合わせ、コンテナ船の多くがすでに喜望峰迂回に切り替えています。
備蓄放出と代替ルート なお残るスタグフレーション懸念
こうした中、日本政府はエネルギー供給不安に備え、石油備蓄の活用と輸入ルート多角化を急いでいます。高市首相は、国家備蓄・民間備蓄・産油国との共同備蓄を合わせ、日本の石油備蓄が254日分(国家備蓄146日分、民間101日分、共同備蓄7日分)あると説明し、短期的には需給に大きな支障はないとの認識を示しました。 そのうえで政府は3月26日、石油国家備蓄の放出を実際に開始し、全国11カ所の備蓄基地から国内消費量の約30日分に相当する原油を順次元売り各社に供給する措置に踏み切っています。
一方、輸送面では、ホルムズ海峡を経由しない中東からの原油調達ルートとして、サウジのヤンブー港を起点とする紅海ルートが政府・企業双方の対策の柱と位置づけられています。このルートで運ばれた原油を積んだタンカーが3月末に四国の製油所沖へ到着したことで、代替ルートが「机上の計画」から実運用段階へ移行したことが示されました。もっとも、このルートもバブ・エル・マンデブ海峡の安全確保に依存しており、フーシ派が封鎖や通行料徴収を通じて圧力を強めれば、輸送網が再び行き詰まるリスクはなお残ります。
海上輸送の混乱は、タンカー運賃やコンテナ運賃の上昇を通じて、ガソリン価格や電気料金、輸入品価格など幅広い分野に波及する可能性があります。 日本はすでにホルムズ海峡封鎖に伴う原油価格高騰の影響を受けており、紅海ルートまで機能不全となれば、企業の燃料コスト上昇と家計の光熱費・物流費負担が一段と重くなるおそれがあります。
専門家からは、備蓄放出や中東以外からの調達拡大に加え、省エネや再生可能エネルギーの導入加速を通じて、供給ショックに強いエネルギー構造への転換を急ぐべきだとの声が強まっています。 中東情勢の行方次第では、物価上昇と景気減速が同時進行するスタグフレーション的な圧力に日本経済がさらされるリスクもあり、エネルギー安全保障と物価安定の両立が難しい局面が続きそうです。








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