
政府は27日、ロケット打ち上げに伴う落下事故の補償制度を見直す宇宙活動法の改正案を閣議決定しました。人工衛星を搭載しない開発目的のロケット単体の試射なども政府補償の対象に加え、民間保険でカバーしきれない賠償リスクの一部を国が負う仕組みを広げる内容です。 打ち上げコストや事業者の賠償リスクを軽減し、新興企業を含む民間の技術開発と参入を後押しすることで、日本の宇宙産業の国際競争力を高める狙いがあります。
改正のベースとなる宇宙活動法は、人工衛星などの打ち上げや管理に関する許可制度、第三者への損害賠償の枠組みを定めた日本の宇宙ビジネスの基本法で、2018年に施行されました。 現行の補償制度は、人工衛星を搭載したロケットの打ち上げを前提とし、落下事故の被害が民間保険で賄えない場合に政府が一定額を補償する仕組みとなっています。
しかし近年は、技術実証を目的とした小型ロケットの試射や、ダミーペイロードのみを載せる打ち上げなど、多様な形態が登場しています。 衛星を搭載しないロケットが補償対象外となるケースが課題とされてきたことから、政府は補償制度を「衛星ではなくロケットに着目した枠組み」に改め、制度の空白を埋えようとしています。
宇宙活動法の補償制度拡充と国際競争力強化の課題
今回の改正案では、人工衛星などの「搭載物」の有無にかかわらず、開発目的のロケット単体やダミーペイロード搭載の打ち上げも政府補償の対象に含める方向性が示されています。 これにより、開発段階の試験打ち上げでも政府補償を活用できる余地が広がり、高額な保険料負担がハードルとなっていた新規ロケット開発の促進が期待されています。
一方、宇宙活動に関する国際条約上、日本は「打ち上げ国」として第三者被害に対する最終的な責任を負う立場にあり、政府補償の拡大は財政負担やリスクの社会化にも直結します。 このため、どこまで国がリスクを引き受けるのかという線引きと並行して、安全基準の厳格化や審査の実効性確保も重要な論点となります。
日本のロケット打ち上げ回数は近年、年数回規模にとどまり、民間企業による大量打ち上げが進む米国や、中国の国家主導の打ち上げ増加と比べると大きく水をあけられています。 再使用ロケットを活用した低コスト輸送や、衛星コンステレーション構築を支える高頻度打ち上げが国際市場を牽引するなか、日本ではリスク負担の大きさや案件の少なさが民間投資のボトルネックとなってきました。
27日の記者会見で小野田紀美経済安全保障相は「国際的責任を果たしつつ、日本の宇宙活動の安全性を確保しながら宇宙産業を後押しする」と述べ、国際的な責任と産業振興の両立を強調しています。 宇宙活動法改正は、制度面から民間プレーヤーの裾野を広げる第一歩となるかが問われており、今後の国会審議では補償範囲と安全規制のバランスや、財政負担のあり方が焦点となりそうです。









の看板-280x210.jpg)


-300x169.jpg)