
アニメーション制作大手のスタジオジブリが7月17日付の官報で公表した2025年3月期決算によると、最終利益は60億1,200万円となり、前年同期の49億700万円から22.5%の大幅増益を記録しました。
同社は長編アニメーション映画の企画・制作を主力事業としており、2023年10月に日本テレビホールディングスの完全子会社になっています。
スタジオジブリは1985年、『風の谷のナウシカ』の商業的成功を受けて徳間書店を中心として創設されました。宮崎駿氏と高畑勲氏という二大巨匠による劇場用オリジナル作品の制作に特化した経営方針は、世界的にも極めて稀有な存在として知られています。
一般的なアニメーション業界では、安定収益を確保するためテレビシリーズ制作を基盤とし、その人気作品を映画化するパターンが主流ですが、同社は創設当初からリスクの高い劇場用長編作品のみに集中する独自路線を貫いてきました。
社名の「ジブリ」は、サハラ砂漠に吹く熱風を意味し、飛行機愛好家でもある宮崎駿氏が第二次大戦中のイタリア軍用機の名称から着想を得たもので、「日本のアニメーション界に旋風を巻き起こそう」という想いが込められています。
ジブリ業績急伸の背景と宮崎駿監督の現在
スタジオジブリの過去最高益達成の背景には、複数の戦略的要因が重なっています。最も重要な転換点は2023年の日本テレビによる資本参加で、これにより経営基盤が安定化しました。
従来は徳間書店系列の中小規模スタジオとして、リスクの高い単発映画制作に依存していましたが、大手メディア企業の傘下入りによって長期的な事業計画が可能となりました。
同時に、世界的なアニメーション市場の急拡大も追い風となっています。Netflix等の動画配信サービスの普及により、質の高い日本アニメへの需要が国際的に高まっており、ジブリ作品の海外配信収益が大幅に増加しています。
さらに愛知県に開園したジブリパークの成功により、映画制作以外の収益源も確立され、IP活用の多角化が進展しました。これらの要素が相乗効果を生み、従来の制作スタジオの枠を超えた総合エンターテインメント企業への転換を実現しています。
一方、創設者である宮崎駿氏は現在84歳となり、3月には6年ぶりに庵野秀明監督との再会が実現しました。長年のトレードマークだった髭を「手入れが面倒」という理由で剃り落とした姿が話題となり、ファンからは「別人のよう」との驚きの声が上がっています。
アトリエ「二馬力」での創作活動は継続しており、年齢を感じさせない創作意欲を維持していることが確認されています。












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