
東京・九段北の靖国神社で17日、秋季例大祭が始まり、石破茂首相は「内閣総理大臣 石破茂」名で「真榊」と呼ばれる供物を奉納しました。19日までの例大祭期間中、首相は参拝せず、自民党の高市早苗総裁も参拝を控える見通しです。
この判断は、中国や韓国からの反発を考慮した結果とみられています。特に中国は首相の靖国参拝に強く反対しており、過去には参拝を理由に首脳会談の延期や中止といった外交的措置で応じる姿勢を示してきました。
こうした外交的配慮から、近年の首相は例大祭や終戦記念日に真榊や玉串料を私費で奉納する形にとどめ、直接参拝を避ける傾向が定着しています。真榊は榊の枝に白い紙垂をつけた神道の供物で、神事において重要な意味を持ちますが、首相本人が参拝するよりは外交的な摩擦が少ないとされています。
石破首相は就任以降の秋季・春季例大祭でこの方針を踏襲しており、日本の現職の首相による靖国神社参拝は2013年12月の安倍晋三首相以来、10年以上行われていない状況です。
高市氏はこれまで、閣僚在任中も終戦の日の8月15日や春秋の例大祭に靖国神社を参拝してきました。しかし、自民党総裁としての参拝は中国や韓国の批判を招く可能性が高いため、外交問題化を回避する判断だったとみられています。靖国神社を「戦没者慰霊の中心的な施設」と位置づけ、「国策に殉じられた方に尊崇の念をもって感謝の思いをささげる」との立場を繰り返し表明してきました。今回の判断は党内外で注目を集めています。
中国が注視する日本政治の動向
今回の靖国神社への真榊奉納は、公明党の連立離脱による政治的混乱の中で行われています。中国の主要メディアは10日、公明党が自民党との連立枠組みから離脱すると日本メディアを引用して速報し、高い関心を示しました。中国との国交正常化を推進した公明党は、中国側から「井戸を掘った人(恩人)」との評価を受けており、連立離脱が日中関係に与える影響が注目されています。
一方、高市早苗氏の自民党総裁就任について、中国では「中国に対して厳しい姿勢を持つ首相が誕生する」といった論調がみられ、対日政策への警戒感を強めています。中国のインターネット上では「高市早苗」というキーワードの書き込みが急上昇し、前日比4000%超を記録するなど、異例の関心の高さを示しています。
日中関係は経済面での相互依存が深い一方で、尖閣諸島問題や台湾情勢、歴史認識など多くの懸案を抱えています。今回の靖国神社への対応と政治情勢の変化は、今後の日中関係の行方を占う重要な判断材料として、両国で注目が集まっています。










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