高市早苗氏が第104代首相に選出 日本初の女性総理が誕生、自民・維新連立政権発足へ

高市早苗氏が第104代首相に選出 日本初の女性総理が誕生、自民・維新連立政権発足へ

2025年10月21日、自民党の高市早苗総裁が衆参両院の首相指名選挙で第104代内閣総理大臣に選出されました。日本の憲政史上、女性が首相に就任するのは初めてのことです。同日召集された第219回臨時国会において、高市氏は石破茂前首相の後任として指名され、衆議院では初回投票で過半数となる237票を獲得し、参議院では決選投票の末125票を得て首相の座を確実にしました。

高市氏は1961年3月7日生まれの64歳で、奈良県出身です。これまで総務大臣や経済安全保障担当大臣を歴任し、今年9月の自民党総裁選挙では3度目の挑戦で当選を果たしました。

高市氏の首相誕生を決定づけたのは、前日の10月20日に正式合意した日本維新の会との連立政権樹立です。自民党と維新の両党首は国会内で会談し、「連立政権合意書」に署名しました。合意文書には、ガソリン暫定税率の廃止、物価高対策のための補正予算編成、食料品の消費税を2年間免除することを視野に入れた法制化検討など12項目の経済政策が盛り込まれています。

今回の連立は、長年パートナーだった公明党が10月10日に連立離脱を表明したことを受けたもので、自民党にとって26年続いた自公連立に幕を下ろす歴史的な転換となりました。維新は当面閣僚を出さない「閣外協力」の形をとりますが、政策実現に向けて与党として政権運営に加わります。これにより、約30年ぶりとなる保守連立政権が誕生しました。

衆議院での首相指名選挙では、高市氏が237票を獲得し、1回目の投票で過半数を上回りました。内訳は自民党196議席、連立を組む日本維新の会35議席の計231議席に、数名の無所属議員の票が加わった形です。参議院では初回投票で123票を得たものの過半数に1票届かず、野田佳彦立憲民主党代表との決選投票となり、最終的に125票を獲得して首相に選出されました。

高市氏は首相選出後、速やかに組閣に着手しました。新内閣では、財務大臣に片山さつき元地方創生担当大臣を起用し、女性として初の財務大臣が誕生しました。経済安全保障担当大臣には小野田紀美参院議員を起用し、外国人政策も兼務させる方針です。この2人が女性閣僚となり、いずれも高市氏と政策が近い保守派の重要人物です。

そのほかの主要閣僚としては、外務大臣に茂木敏充氏、防衛大臣に小泉進次郎氏、総務大臣に林芳正氏、官房長官に木原稔氏、経済産業大臣に赤沢亮正氏が就任しました。総裁選で戦った候補者も重要ポストに配置され、党内融和を図る人事となっています。初入閣は10人を超え、新陣容での船出となりました。

経済対策と政治改革が最優先課題 臨時国会で補正予算編成へ

高市内閣は皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て、21日夜に正式に発足しました。高市首相は物価高対策を最優先課題とし、2025年度補正予算の編成に速やかに着手する方針です。

臨時国会の会期は12月17日までの58日間が予定され、この期間中にガソリン暫定税率の廃止法案や補正予算の成立を目指します。維新との合意に基づき、衆議院議員定数を1割削減する議員立法の成立も進める方針です。

政治改革では企業・団体献金の在り方について協議体を設置し、高市総裁の任期中に結論を得る計画です。自民党は「禁止より公開」、維新は「完全廃止」を主張しており、協議の行方が注目されます。

石破前首相は在職日数386日で総辞職し、退任時に「新しい内閣が今日発足しますが、国民の皆様一人一人に謙虚に真摯に誠実に語りかける、そういう政権であってほしい」とエールを送りました。今後は野党との協調を重視しながら、少数与党政権として政策実現に向けた政権運営が求められます。

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